2026年11月現在、飛行機事故の確率を判断するうえで重要な最新資料が、国際航空運送協会(IATA)が2026年3月9日に公表した「2025年航空安全報告書」だ。同報告書によると、2025年の世界の航空事故発生率は約76万便に1件。加えて、死亡事故については2021~2025年の5年間の平均で約560万便に1件という水準だった。数字だけを見ると、旅客機で事故に遭う可能性は極めて低い。
ただし、ここで注意したいのが「航空事故が起きる確率」と「乗客が死亡する確率」は同じではないという点だ。軽傷や機体損傷を伴う事故もあれば、多数の死者が発生する重大事故もある。ICAO(国際民間航空機関)の2025年統計、日本の国土交通省による2025年の航空事故データ、運輸安全委員会の調査情報も照合し、飛行機に乗って事故に遭う確率の実態を検証する。
【2026年最新】飛行機事故確率はどれほど低い?IATAの最新統計を検証

飛行機事故の発生確率を知るために、まず確認したいのがIATAの「2025 Annual Safety Report」だ。
IATAは世界380社以上の航空会社を代表し、世界の航空交通のおよそ85%を占める国際的な業界団体である。その安全報告書は、世界の商業航空の安全性を把握するうえで重要な資料となっている。
2026年3月に公表された報告書では、2025年の世界の航空便約3,870万便に対して、事故は51件だった。
2025年の航空事故発生率2025年の全事故率は、100万便あたり1.32件。逆算すると、事故が1件発生するまでの平均的な運航回数は約75万9,646便となる。
これは2024年の1.42件から改善した数字だ。
| 統計項目 | 2024年 | 2025年 | 5年間の平均 |
|---|---|---|---|
| 年間運航便数 | 3,790万便 | 3,870万便 | 3,450万便 |
| 全事故件数 | 54件 | 51件 | 44件 |
| 100万便あたりの事故件数 | 1.42件 | 1.32件 | 1.27件 |
| 全事故が1件発生する間隔 | 約70万便 | 約76万便 | 約80万便 |
| 死亡事故件数 | 7件 | 8件 | 6件 |
| 機内死亡者数 | 244人 | 394人 | 198人 |
| 死亡リスク指標 | 0.06 | 0.17 | 0.12 |
※5年間の平均は2021~2025年。年間運航便数・事故件数は年平均。IATA公表値に基づく。
注目したいのは、全事故件数が減少した一方で、死亡事故と機内死亡者数は増加したことだ。
2025年には51件の事故が発生し、そのうち8件が死亡事故だった。機内死亡者数は394人で、2024年の244人を大きく上回っている。
つまり、航空事故の総数が減っているからといって、死亡事故の被害まで毎年同じように減るわけではない。
飛行機の死亡事故確率は約560万便に1件死亡事故については、単年の数字と複数年の平均を分けて考える必要がある。
IATAによれば、2021~2025年の5年間における死亡事故の発生率は、約560万便に1件だった。
これは2012~2016年の約350万便に1件と比べても改善している。
2025年単年では死亡事故が8件発生しているため、単年の実績をそのまま5年間の平均値と比較することはできない。
確率に換算すると、次のようになる。
- 全事故率:約0.000132%(1便あたり)
- 5年間平均の死亡事故率:約0.000018%(1便あたり)
この数字が示すのは、あくまで航空会社の運航便を単位にした事故発生頻度である。
「飛行機に乗った人が約560万人に1人の確率で死亡する」という意味ではない。死亡事故が起きても、乗客全員が亡くなるとは限らず、事故によって被害の規模も異なるからだ。
IATAの報告書では、全事故率と死亡リスクを別の指標として扱っている。両者を混同しないことが、統計を正しく理解する第一歩となる。
ジェット機とプロペラ機でも事故率は異なる同じ航空機でも、機種によって事故発生率には違いがある。
2025年のIATA統計では、ジェット機の事故率は100万便あたり1.03件だった。一方、ターボプロップ機は4.08件となっている。
| 航空機の種類 | 2025年の事故率 | 事故1件あたりの便数 |
|---|---|---|
| ジェット機 | 1.03件/100万便 | 約97万便 |
| ターボプロップ機 | 4.08件/100万便 | 約25万便 |
ただし、これは運航環境や機体の種類が異なる航空機を一律に比較した数字ではない。地域や運航条件などの影響も考慮する必要がある。
また、一般的な旅客機の事故確率を調べる場合は、対象となる航空機の種類と統計の定義を確認したい。
出典:IATA「2025 Annual Safety Report」、2026年3月公表。
【ICAOとIATAを比較】航空事故率が違って見える理由とは?
飛行機事故確率を調べると、IATAとICAOで異なる数字が出てくることがある。
これは必ずしも、どちらかの統計が間違っているからではない。調査対象、事故の定義、集計方法、対象期間が異なるためだ。
ICAOの2025年航空安全統計は2024年の実績を集計国際民間航空機関(ICAO)が公表した「ICAO Safety Report 2025 Edition」は、2024年の世界の定期商業航空輸送を対象とした統計を掲載している。
対象は最大離陸重量5,700kgを超える航空機による定期商業運航だ。
同報告書の主な数字は次のとおり。
- 運航便数:約3,709万便
- 航空事故:95件
- 死亡事故:10件
- 死亡者数:296人
- 100万出発便あたりの事故率:2.56件
- 10億人の旅客あたりの死亡者数:65人
特に注目したいのが、ICAOの死亡率指標である。
2024年は10億人の旅客あたり65人の死亡者が記録された。単純換算では、約1,540万人分の旅客搭乗に対して死亡者1人という水準になる。
これは個人の生涯死亡確率ではなく、旅客数を分母とした統計上の死亡率だ。
IATAとICAOの違いを整理| 比較項目 | IATA 2025年報告書 | ICAO 2025年報告書 |
|---|---|---|
| 集計対象年 | 2025年 | 2024年 |
| 主な対象 | 商業航空運航 | 定期商業航空運航 |
| 全事故件数 | 51件 | 95件 |
| 運航便数 | 約3,870万便 | 約3,709万便 |
| 事故率 | 1.32件/100万便 | 2.56件/100万出発便 |
| 死亡事故 | 8件 | 10件 |
| 死亡率の指標 | 死亡リスク指標 | 65人/10億旅客 |
両者は対象範囲や事故分類が完全には一致しないため、事故率だけを並べて優劣を判断するのは適切ではない。
IATAの事故統計では、最大離陸重量5,700kg以上の商業運航機を基本とし、機体の重大な構造損傷や死亡事故などの条件を満たす事象を事故として扱う。
一方、ICAOはシカゴ条約の附属書13に基づく事故分類と、各国から報告されたデータを用いて集計している。
そのため、同じ航空事故を扱っていても、集計結果に差が生じる。
事故率と死亡リスクは別の指標ここは特に誤解されやすい部分だ。
例えば、着陸時に機体の尾部が滑走路に接触するテールストライクや、着陸装置のトラブルなども、条件によっては航空事故として集計される。
しかし、こうした事故が必ずしも乗客の死亡につながるわけではない。
反対に、発生件数が非常に少なくても、墜落や空中衝突のような重大事故では、多数の死者が出る可能性がある。
IATAが全事故率と死亡リスクを分けて公表しているのは、こうした事故の性質の違いを反映するためだ。
出典:ICAO「State of Global Aviation Safety 2025」、IATA「2025 Annual Safety Report」。
【日本の航空事故統計】2025年の事故件数と旅客機の死亡リスク
世界全体の統計だけでなく、日本の航空事故発生率も確認しておきたい。
2026年に公表された内閣府の「令和8年交通安全白書」には、2025年の国内航空事故の発生状況が掲載されている。
2025年の日本の航空事故は22件国土交通省の資料に基づく2025年の航空事故件数は、合計22件だった。
内訳は次のとおり。
| 航空機の種類 | 2025年の事故件数 |
|---|---|
| 大型飛行機 | 5件 |
| 小型飛行機 | 7件 |
| 超軽量動力機 | 1件 |
| ヘリコプター | 6件 |
| 滑空機 | 3件 |
| 合計 | 22件 |
死傷者数は死亡者7人、負傷者15人となっている。
ただし、この22件をそのまま「日本の旅客機事故件数」と考えてはいけない。
大型飛行機だけでなく、小型飛行機、ヘリコプター、滑空機なども含まれているからだ。また、統計には日本国外で発生した日本の航空機の事故と、日本国内で発生した外国航空機の事故も含まれる。
つまり、一般の旅行者が利用する定期旅客便だけの事故件数ではない。
日本の定期旅客便における死亡事故発生率より一般の旅行者に近いデータが、定期便を運航する日本の航空運送事業者を対象とした安全指標だ。
令和8年交通安全白書では、2025年度の実績として、次の数字が示されている。
- 定期便を運航する本邦航空運送事業者の死亡事故発生率:0.00
- 同事業者の全損事故発生率:0.00
この数字は、対象となる日本の定期航空運送事業者についての年度実績であり、世界全体や小型機を含めたすべての航空事故がゼロだったという意味ではない。
1985年の日航機事故以降、日本の大手旅客航空会社で乗客死亡事故は発生していない日本の旅客機の安全性を考えるうえで、重要な事実がある。
内閣府の令和8年交通安全白書によれば、客席数100席以上、または最大離陸重量5万kg超の航空機を使用する特定本邦航空運送事業者では、1985年の日航123便御巣鷹山墜落事故以降、乗客が死亡する事故は発生していない。
もちろん、これは今後も事故が起きないことを保証するものではない。
また、2024年1月2日には羽田空港で日本航空機と海上保安庁機が衝突し、炎上する事故が発生した。
この事故では海上保安庁機の乗員5人が死亡した一方、日本航空機の乗員と乗客には死亡者がいなかった。
このように、航空機事故の発生と旅客機の乗客が死亡することは、統計上も実際の事故でも区別して考える必要がある。
運輸安全委員会による航空事故調査の役割日本の航空事故については、運輸安全委員会(JTSB)が独立した立場で原因究明を行っている。
調査の目的は、事故の責任を単純に追及することだけではない。
- 事故発生時の状況を確認する
- 機体やエンジンなどの状態を調査する
- 操縦や整備、管制などの状況を分析する
- 事故につながった要因を明らかにする
- 再発防止のための勧告や意見を示す
2026年版の運輸安全委員会年報では、2025年に新たに調査対象となった航空事故は20件とされている。
調査には時間を要することもあり、事故発生年と調査報告書の公表年は必ずしも一致しない。
航空事故の安全性を正しく評価するには、単純な事故件数だけでなく、調査結果がどのような安全対策につながったかも見る必要がある。
出典:内閣府「令和8年交通安全白書」、運輸安全委員会「令和8年版年報」。
【飛行機事故の主な原因】なぜ離着陸時に事故が起きやすいのか
飛行機事故というと、飛行中に突然墜落する場面を想像する人も少なくない。
しかし、実際の航空事故には、滑走路からの逸脱、着陸時の機体損傷、着陸装置の不具合、地上での接触など、さまざまな種類がある。
IATAの2025年報告書では、事故の発生状況についても詳しく分析されている。
2025年に多かった航空事故の種類IATAの統計で、2025年に多く発生した非死亡事故の分類は次のとおりだ。
| 事故の種類 | 2025年の件数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| テールストライク | 9件 | 離着陸時に機体の尾部が滑走路などに接触 |
| 着陸装置関連 | 7件 | 車輪や着陸装置に関する事故 |
| 滑走路逸脱 | 6件 | 着陸や離陸時に滑走路から外れる |
| 地上損傷 | 6件 | 空港内の地上作業などで機体が損傷 |
| ハードランディング | 4件 | 通常より大きな衝撃を伴う着陸 |
これらは事故の分類であり、すべてが死亡事故というわけではない。
むしろ、航空事故には乗客が無事に避難できたり、機体の修理によって運航に復帰できたりするケースも含まれる。
事故を引き起こす背景には複数の要因があるIATAの2025年報告書では、事故の背景にある要因について、脅威とエラーの管理という枠組みで分析している。
主な要因として挙げられているのは次のようなものだ。
1. 異常な滑走路接触
2025年の事故の25%で、通常とは異なる滑走路への接触が関係していた。
着陸時の機体姿勢や接地の状態は、安全性に直結する。
2. 乗員の状況認識と対応
乗員の対応や状況認識も、事故の25%で関連要因として挙げられている。
飛行中には、気象状況や機体の状態、管制からの指示など、複数の情報を同時に判断する必要がある。
3. バウンド着陸
着陸時に機体が滑走路で跳ねる現象も事故の要因となる。
2025年の報告書では、事故の14%でバウンド着陸が指摘されている。
4. 操縦上の偏差
垂直方向・水平方向・速度に関する逸脱も12%の事故で指摘された。
5. 気象や整備、手順上の問題
悪天候、機体の取り扱い、標準運航手順の不遵守、安全管理体制、整備なども事故の背景に関係する。
航空事故は、単一の原因だけで説明できないことが多い。操縦、機体、空港設備、気象、管制など、複数の条件が重なることで発生する場合がある。
2025年は死亡事故の被害が一部の重大事故に集中2025年の死亡者数が増加した背景には、少数の重大事故がある。
IATAによれば、エア・インディア171便の事故では機内の死亡者が241人、PSA航空5342便の事故では64人に上った。
この2件だけで、2025年の機内死亡者394人の77%以上を占めた。
一方、2025年は飛行中の操縦不能事故(LOC-I)が発生しなかった年でもある。
事故の総数と死亡者数が必ずしも同じ方向に動かないことを示す結果だ。
出典:IATA「2025 Annual Safety Report」。
【離着陸時の事故リスク】飛行中より危険という説は本当?
飛行機の事故についてよく聞かれる疑問が、「離陸と着陸のどちらが危険なのか」というものだ。
この問題を考えるうえで参考になるのが、ボーイングが公表した「2025 Statistical Summary」である。
同資料には、2016~2025年の世界の商業ジェット機について、飛行段階別の死亡事故の割合が掲載されている。
死亡事故が発生した飛行段階| 飛行段階 | 死亡事故の割合 |
|---|---|
| 地上作業・駐機など | 6% |
| 離陸 | 16% |
| 初期上昇 | 6% |
| 上昇 | 10% |
| 巡航 | 10% |
| 降下 | 3% |
| 最終進入 | 13% |
| 着陸 | 35% |
この統計で特に目を引くのが、着陸時の35%という数字だ。
着陸は飛行時間全体の約1%にすぎないにもかかわらず、死亡事故の35%が発生している。
離陸時も16%を占める。
一方、飛行時間の大部分を占める巡航中の死亡事故は10%だった。
この数字から、離着陸は飛行中でも特に注意が必要な段階だと分かる。
なぜ離着陸時は負荷が大きいのか離着陸時には、パイロットが多くの操作や判断を短時間で行う。
例えば、着陸時には次のような条件が重なる。
- 進入速度の調整
- 滑走路までの進入角度の管理
- 機体の姿勢や高度の調整
- 風向きや横風への対応
- 滑走路の状態の確認
- 管制との通信や指示への対応
特に悪天候や強風、視界不良などが重なる場合は、運航上の負荷が増す。
ただし、着陸時に死亡事故の割合が高いからといって、着陸するたびに高い危険があるという意味ではない。
これは過去10年間の死亡事故を飛行段階別に分類した割合であり、着陸1回あたりの事故確率ではない。
出典:ボーイング「2025 Statistical Summary」。
【飛行機と自動車の事故率比較】どちらの移動手段が安全?
飛行機と自動車のどちらが安全なのかは、多くの人が気になる問題だ。
結論を先に述べると、長距離の移動を前提とした場合、商業航空は自動車よりも死亡リスクが低い交通手段として評価されている。
ただし、比較には分母の統一が欠かせない。
走行距離あたりの死亡率で比較するIATAが紹介している米国の交通機関別死亡リスクの研究では、2000~2009年のデータを用いて、旅客マイルあたりの死亡者数が比較されている。
その結果は次のとおりだ。
| 交通手段 | 10億旅客マイルあたりの死亡者数 |
|---|---|
| 商業航空 | 0.07人 |
| 自動車 | 7.3人 |
この研究では、自動車の死亡率は商業航空の約100倍となっている。
ただし、これは米国の過去のデータを使った比較であり、2026年の日本国内における最新の事故率を示すものではない。
また、航空会社の1便あたりの事故率と、自動車の1台あたりの事故率を直接比較することも適切ではない。
公平に比較するには、同じ期間、同じ地域、同じ旅客距離あたりの死亡者数を使用する必要がある。
自動車は日常的に利用するからこそリスクを見落としやすい飛行機事故は、発生件数が少ない一方で、ニュース映像や報道によって強く印象に残りやすい。
これに対して、自動車事故は日常生活の中で頻繁に発生するため、危険性を意識しにくくなることがある。
しかし、交通安全を考えるときに重要なのは、事故の印象ではなく、移動距離や利用回数に対する死亡率である。
航空機は長距離輸送を担う交通機関として、国際的な安全基準、機体整備、乗員訓練、管制システムなどによって安全性を高めてきた。
出典:IATA「Flying is by far the safest form of transport」、Ian Savageによる交通機関別死亡リスク研究。
【プロの結論】飛行機事故確率の数字を正しく理解するための判断基準
ここまでの統計を整理すると、2026年時点の飛行機事故確率を理解するためには、3つの数字を区別することが大切だ。
1. 約76万便に1件は全事故の発生頻度IATAの2025年統計による約76万便に1件という数字は、航空事故全体の発生頻度である。
乗客が死亡する確率ではない。
事故には、機体の損傷や滑走路からの逸脱など、死亡者が出ないものも含まれる。
2. 約560万便に1件は死亡事故の5年間平均こちらは2021~2025年の死亡事故の発生頻度を表している。
2025年単年では8件の死亡事故が発生しているため、毎年必ず560万便に1件という意味ではない。
5年間の平均値として理解する必要がある。
3. 乗客1人あたりの死亡リスクは別の指標で確認する個人の死亡リスクを考える場合、運航便数だけでなく、旅客数を分母にした統計も必要になる。
ICAOが2025年版報告書で示した2024年の死亡率は、10億人の旅客あたり65人だった。
これは旅客数を基準にした指標であり、便数を基準にしたIATAの死亡事故率とは異なる。
また、国際線と国内線、飛行距離、航空機の種類、運航地域などによって条件が変わる。
飛行機の安全性を判断するときに見るべき5つのポイント航空会社や航空便の安全性を調べる場合は、次の視点が参考になる。
1. 死亡事故率: 単年だけでなく、5年間など複数年の平均を見る。
2. 全事故率: 死亡事故以外の機体損傷や滑走路逸脱なども確認する。
3. 運航条件: ジェット機、プロペラ機、小型機などを区別する。
4. 安全管理体制: 整備、乗員訓練、運航手順、事故調査への対応を確認する。
5. 統計の対象範囲: 国内の定期便なのか、世界の商業航空なのか、一般航空も含むのかを確認する。
特に重要なのは、事故率が低いことだけを見て、安全対策が不要だと考えないことだ。
航空業界では、死亡事故が発生しなくても、重大インシデントや機体損傷の情報を分析し、次の事故を防ぐための対策を続けている。
【飛行機事故確率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:飛行機に乗って事故に遭う確率は何%ですか?
A1:IATAの2025年統計では、全事故率は1便あたり約0.000132%で、約75万9,646便に1件となっています。ただし、これは航空会社の運航便単位の事故発生率であり、乗客個人が事故に遭う確率や死亡確率とは異なります。
Q2:飛行機の死亡事故確率は約560万便に1件ですか?
A2:はい。IATAが公表した2021~2025年の5年間の平均では、死亡事故は約560万便に1件という頻度です。ただし、これは複数年の平均値であり、2025年単年では8件の死亡事故が発生しています。
Q3:飛行機と自動車ではどちらが安全ですか?
A3:長距離の移動では、一般に商業航空のほうが自動車より死亡リスクが低いとされています。IATAが紹介した米国の過去の研究でも、旅客マイルあたりの死亡率は商業航空が自動車より大幅に低い結果でした。ただし、比較する地域や期間、走行距離などの条件をそろえる必要があります。
Q4:飛行機は離陸時と着陸時のどちらが危険ですか?
A4:ボーイングの2016~2025年の統計では、死亡事故の割合は着陸時が35%、離陸時が16%でした。着陸時の割合が高いものの、これは死亡事故の構成比であり、着陸1回あたりの事故確率を示すものではありません。
Q5:日本の旅客機で乗客が死亡する事故は起きていますか?
A5:内閣府の令和8年交通安全白書によると、特定本邦航空運送事業者の乗客が死亡した事故は、1985年の日航123便事故以降発生していません。ただし、これは一定規模以上の航空機を使用する国内事業者に関する実績であり、日本国内のすべての航空機事故がゼロという意味ではありません。
Q6:乱気流で飛行機が墜落する可能性はありますか?
A6:乱気流は乗客や乗員の負傷につながる可能性がある航空上のリスクです。ただし、乱気流による負傷事故と機体の墜落は別の問題です。シートベルト着用サインが消えている場合でも、座席にいるときは可能な限りシートベルトを締めておくことが、突然の揺れによる負傷を防ぐうえで役立ちます。
2026年11月現在、IATAの2025年航空安全報告書によると、世界の航空事故発生率は約76万便に1件、死亡事故の発生頻度は過去5年間の平均で約560万便に1件となっている。
数字から見れば、商業航空は非常に安全性の高い交通手段だ。
一方で、2025年には世界で8件の死亡事故が発生し、機内死亡者数は394人に達した。事故の総数が減少しても、重大事故による被害が増える年はある。
日本については、2025年の航空機全体の事故が22件だった一方、定期便を運航する国内航空会社の2025年度死亡事故発生率は0.00だった。1985年以降、大手旅客航空会社の乗客死亡事故が発生していないという実績もある。
飛行機事故確率を調べる際に忘れてはいけないのは、全事故率、死亡事故率、乗客個人の死亡リスクは、それぞれ異なる数字だということだ。
約76万便に1件という数字だけを見て不安になる必要もなければ、約560万便に1件だから絶対に安全だと考えることもできない。
航空安全を支えているのは、機体の技術進歩だけではない。整備、乗員訓練、空港設備、管制、事故調査、国際的な安全基準の改善が積み重なっている。
飛行機の安全性を評価するときは、事故のニュースだけで判断せず、複数年の統計と公的な調査結果を確認することが、実態を理解する最も確かな方法となる。