女子バレーの赤外線盗撮とは、通常の可視光撮影とは異なる赤外線の特性を悪用し、衣服の内側の情報を不正に撮影しようとする行為を指す。
ただし、「赤外線カメラなら、どんなユニフォームでも透けて見える」という理解は正確ではない。
要点は、赤外線の種類と衣服の素材の組み合わせにある。
赤外線カメラには異なる方式がある赤外線は、人間の目では直接見ることができない電磁波の一種だ。カメラは対応する波長の光や放射を検出し、画像として表示する。
今回の問題に関係するのは、主に次の2種類だ。
1. 近赤外線カメラ
近赤外線は可視光より波長が長く、衣服の素材によっては特定の波長が生地を通過する場合がある。
そのため、素材によっては通常の写真とは異なる画像情報が得られる可能性がある。
2. 熱赤外線カメラ(サーモグラフィ)
こちらは物体から放射される熱に関係する赤外線を検出し、表面温度の分布を画像化する装置だ。
衣服の表面温度や熱の分布を捉えるものであり、衣服をそのまま透明にして身体の内部を映し出す装置ではない。
この2つを混同すると、インターネット上の赤外線盗撮に関する情報を誤解しやすくなる。
赤外線盗撮は実際に起こり得る問題なのか実際に、赤外線による衣服の透過撮影は技術的な検査対象になっている。
一般財団法人ボーケン品質評価機構は「赤外線透過撮影防止」という試験分野を設けている。
同機構の説明では、近赤外線の透過特性を利用した不正撮影が問題となった経緯があり、衣料品に赤外線を吸収・反射させる加工を施すことで、透過撮影を防止する技術が紹介されている。
つまり、赤外線による衣服の透過撮影は、単なるネット上の都市伝説ではない。繊維メーカーや品質評価機関が対策を研究・評価している実在の技術課題である。
ただし、ここで重要なのは、赤外線撮影が可能であることと、女子バレーの選手が実際に赤外線盗撮被害に遭ったことは別問題だという点だ。
特定の選手や試合について、赤外線盗撮があったと断定できる公的な発表は、今回確認した資料には見当たらない。
【噂の真相】女子バレーのユニフォームは本当に赤外線で透けるのか

「女子バレーのユニフォームは透ける」という噂には、技術的な背景がある一方、誇張された情報も混在している。
ユニフォームの色だけでは透けるかどうかは判断できない通常のカメラで撮影した場合、衣服の見え方には色や照明、素材の厚みなどが関係する。
しかし、赤外線画像では事情が異なる。
人間の目で見たときに同じ色に見える生地でも、赤外線に対する反射・吸収・透過の特性が異なる場合がある。
そのため、見た目が濃い色だから赤外線を通さない、あるいは白い生地だから透けやすい、と単純に判断することはできない。
「透ける」という噂で誤解されやすい3つのポイント- すべてのカメラで透けるわけではない。 カメラの検出方式や対象となる波長が異なる。
- すべての衣服が同じ性質ではない。 生地の組成や構造、加工によって赤外線への反応が変わる。
- 熱画像と透過画像は別物。 サーモグラフィで衣服の表面温度が表示されても、それだけで衣服の内側が見えていることにはならない。
| ネット上の情報 | 確認できる事実 | 判定 |
|---|---|---|
| 赤外線カメラならすべての服が透ける | 素材と波長によって透過特性が異なる | 誤解 |
| 赤外線による衣服の透過撮影は不可能 | 繊維製品の防止性能を評価する試験が存在する | 誤り |
| サーモグラフィなら身体が鮮明に映る | 基本的には衣服表面の温度分布を検出する | 誤解 |
| 女子バレーの全ユニフォームが危険 | ユニフォームごとに素材や加工が異なる | 根拠なし |
| 2026年の日本代表は盗撮対策素材を採用した | ミズノが公式発表している | 事実 |
| 防透け素材なら盗撮を完全に防げる | メーカーは使用環境などによる効果の違いを明記している | 断定不可 |
こうして整理すると、「赤外線で透ける」という現象自体には技術的な根拠がある。しかし、それを女子バレーの全選手や全ユニフォームに当てはめるのは間違いだ。
【2026年最新】女子バレー日本代表の新ユニフォームとミズノの防透け素材
2026年の女子バレー日本代表をめぐる大きなニュースが、ミズノによる新ユニフォームの発表だ。
2026年5月11日、ミズノは公益財団法人日本バレーボール協会とのオフィシャルサプライヤー契約に基づき、女子日本代表の2026年度新ユニフォームを発表した。
特筆すべきなのは、デザインだけでなく、選手の身体的な負担軽減とプライバシー保護を両立する素材が採用されたことだ。
ドライエアロフローラピッドとは?ミズノが開発した、クーリング機能と近赤外線への対応を組み合わせた機能性素材。2026年度女子日本代表のユニフォームシャツに使用される。
この素材の特徴は、大きく分けて2つある。
1. 汗を利用したクーリング機能
ベースとなる「ドライエアロフロー」は、疎水・撥水糸と吸水糸を組み合わせた構造を採用している。
水分を保持しにくい糸と水分を吸収する糸を組み合わせることで、汗による生地表面の水分の膜ができにくくなり、通気性を保ちやすくする。
加えて、汗が蒸発するときに身体から熱を奪う気化熱の作用を利用し、運動中の放熱をサポートする。
激しいラリーやジャンプ、レシーブを繰り返すバレーボールでは、ウェアの快適性は選手のパフォーマンスにも関係する。
2. 近赤外線の吸収による防透け機能
ドライエアロフローラピッドでは、近赤外線領域の吸収性に優れた特殊繊維をテキスタイルに応用している。
ミズノの発表によると、この特殊繊維には次のような機能がある。
- 近赤外線を吸収する。
- 吸収した赤外線のエネルギーを水分の気化に利用する。
- 人体側からの赤外線も吸収することで、赤外線カメラに対する防透け性を高める。
つまり、単に生地を厚くして透けにくくするのではなく、赤外線に対する素材自体の特性を利用している点が特徴だ。
2026年度ユニフォームのデザインにも注目新ユニフォームのデザインテーマは「つなぐ」。
過去の日本代表ユニフォームを対象にしたファン投票で支持を集めた、2011~2012年度のデザインから着想を得ている。
また、選手一人ひとりの情熱や闘争心、勝利への気持ちを表現する炎のグラフィックが取り入れられた。
公式戦での着用開始は、2026年6月3日開幕のバレーボールネーションズリーグ2026と発表されている。
オーセンティックウェアやサイン入り応援Tシャツについても、5月18日から順次販売予定とされた。
防透けユニフォームなら完全に安全なのかここは冷静に考える必要がある。
ミズノは自社の可視光・赤外線画像による比較を公表しているが、その効果については環境や使用状況による個人差があると説明している。
したがって、次のように理解するのが適切だ。
- 赤外線に対する防透け性能を高める技術が採用されている。
- クーリング機能も兼ね備えている。
- あらゆる条件下での完全な盗撮防止を保証するものではない。
また、今回の発表で確認できる採用範囲はユニフォームシャツの素材だ。上下すべてに同じ防透け素材が採用されたと解釈するのは正確ではない。
【赤外線盗撮対策ユニフォームを比較】従来素材と2026年の新技術の違い
女子バレーのユニフォームにおける対策を理解するには、一般的なスポーツウェアと赤外線防透け機能を備えたウェアを分けて考える必要がある。
以下に、それぞれの特徴を整理した。
| 比較対象 | 主な特徴 | 赤外線対策の考え方 |
|---|---|---|
| 一般的なスポーツ素材 | 軽量性、伸縮性、通気性など | 素材ごとに異なり、防透け性能は一律ではない |
| 赤外線防透け加工素材 | 赤外線の吸収・反射特性を調整 | 特定波長への透過を抑える |
| ドライエアロフロー | 吸水・疎水構造によるクーリング | 主に汗の蒸発と放熱をサポート |
| ドライエアロフローラピッド | クーリング機能と近赤外線吸収機能 | 防透け性能を高める設計 |
| 会場の撮影管理 | 撮影位置、撮影機材、投稿内容などを管理 | 不適切な撮影・画像悪用を抑止 |
この比較から見えてくるのは、ユニフォームの素材対策と会場の撮影ルールは、別々の役割を持っているということだ。
素材だけに頼るのではなく、撮影行為そのものを管理する仕組みが必要になる。
防透け素材を評価するときの判断基準素材の性能を比較する際には、次の3点が重要になる。
① どの赤外線領域に対応しているか
「赤外線対応」という表示だけでは性能を判断できない。対象となる波長領域を確認する必要がある。
② どのような試験で性能を確認したか
防透け加工の有無だけでなく、第三者機関による評価や試験条件も重要だ。
③ 通気性や伸縮性など競技性能を損なわないか
防透け性能が高くても、通気性や動きやすさが大きく損なわれれば競技用ウェアとして適切とは限らない。
2026年のミズノの新素材は、こうした複数の要求に対応する技術開発の一例といえる。
【2026-27年最新】SVリーグの撮影ルールと盗撮対策の実態
赤外線盗撮の問題を考えるうえで、ユニフォームと並んで重要なのが試合会場の撮影ルールだ。
SVリーグでは、ファンによる通常の写真撮影を認める一方、選手の肖像やプライバシーを侵害する撮影・投稿を禁止している。
SVリーグで認められている撮影の範囲SVリーグの観戦ガイドでは、個人利用を目的とした試合中の写真・動画撮影を認めている。
ただし、無制限に撮影できるわけではない。
主なルールは次のとおりだ。
- 試合中のフラッシュ撮影は禁止。
- 自分の座席を離れた場所からの撮影は禁止。
- コート上のプレー動画をSNSに掲載する場合は、1セットにつき1ラリーまで。
- ベンチなどプレー以外の動画は、1試合につき30秒以内。
- 商業目的の撮影や、個人利用以外のメディア掲載にはクラブ・SVリーグの許可が必要。
また、アリーナのコンコースなど、コート以外の場所については、動画掲載の時間制限が異なる。
2026-27シーズンのクラブ別ルールにも注目2026年10月21日、群馬グリーンウイングスは2026-27シーズンのホームゲーム観戦ルールを公表した。
その中では、次の行為が禁止事項として示されている。
- 三脚など、周囲の観戦を妨げる大型撮影機材の使用。
- 試合中のフラッシュ撮影や、光線などによる試合妨害につながる行為。
- 自席を離れての撮影や、立ち上がっての撮影。
- 選手の写真・動画を性的目的で利用したSNS・インターネット投稿。
加えて、盗撮などの疑わしい行為を見かけた場合は、近くのスタッフに知らせるよう呼びかけている。
性的目的の画像・動画投稿については、SVリーグまたはJOCへの報告も案内されている。
ここで注意したいのは、SVリーグの基本ルールに加え、ホームクラブが独自の観戦上の注意事項を設ける場合があることだ。
2026年の試合を観戦する場合は、リーグ共通ルールだけでなく、実際に訪れる会場の最新案内も確認したい。
通常のファン撮影と盗撮は何が違うのか写真を撮る行為そのものが、すべて問題になるわけではない。
試合の迫力を記録したり、応援している選手のプレーを撮影したりすることと、選手の身体を性的な目的で撮影・利用することは明確に区別される。
特に問題なのは、通常の競技写真であっても、性的なコメントを加えて投稿したり、本人の意思に反する形で画像を加工・拡散したりする行為だ。
撮影時点では通常の写真に見えても、投稿時の加工や説明文によって選手への性的ハラスメントにつながる場合がある。
この問題は、カメラの性能だけで解決できるものではない。
【JOCの取り組み】女子バレー選手のプライバシー保護と盗撮を見かけた場合の通報先
女子バレーに限らず、スポーツ選手の盗撮や写真・動画の性的な悪用は、スポーツ界全体で取り組むべき問題として位置付けられている。
その中心的な取り組みの一つが、日本オリンピック委員会(JOC)による「アスリートへの写真・動画による性的ハラスメント防止」の活動だ。
JOCが問題視しているのは撮影だけではないJOCの公式説明では、問題となる行為を次のように捉えている。
- アスリートの盗撮。
- 写真や動画の性的目的での悪用。
- 通常の競技写真に卑猥な言葉を付けたSNS投稿。
- 選手の尊厳を傷つける画像や動画の拡散。
JOCは、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会、大学スポーツ協会、全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟、日本スポーツ振興センターなどのスポーツ関連団体と連携して取り組みを進めている。
これは、競技団体一つだけでは対応しきれない問題に対し、スポーツ界全体で対策を進める考え方に基づいている。
赤外線盗撮を見かけた場合の通報先実際に会場で不審な撮影を見かけた場合、重要なのは自分で犯人を追及することではなく、主催者側に知らせることだ。
状況別の相談・報告先
1. 試合会場で不審な撮影を発見した場合
大会スタッフ、会場係員、警備担当者に伝える。
座席番号や発生場所、時間、確認した行為などを伝えると、主催者側が状況を把握しやすい。
2. 性的目的の画像・動画投稿を発見した場合
- SVリーグのお問い合わせ窓口
- のアスリート性的ハラスメント防止に関する報告フォーム
投稿内容や掲載先など、確認できる情報を報告する。画像を再投稿して拡散しないことも大切だ。
3. 犯罪行為が進行中、または緊急の危険がある場合
警察への通報を検討する。緊急の場合は110番を利用する。
JOCは、盗撮について迷惑防止条例により犯罪として処罰される可能性があると説明している。また、SNSなどで本人の名誉を傷つける投稿についても、名誉毀損罪などに問われる可能性を示している。
通報するときに残しておきたい情報主催者や窓口に伝える情報は、次のように整理するとよい。
- 発生した日時。
- 会場名や座席付近などの場所。
- どのような不審行為を確認したか。
- SNS投稿の場合は投稿先やアカウント名、掲載日時。
- 投稿を確認できる画面情報など。
ただし、性的な画像や動画を自分で保存・転載して拡散する必要はない。証拠を集めようとして選手のプライバシー侵害をさらに広げないようにしたい。
【プロの結論】女子バレーの盗撮対策はユニフォームと会場管理の両輪で進む
2026年の女子バレーをめぐる赤外線盗撮対策で、最も注目すべき変化は、選手を守るための技術がユニフォームの設計に組み込まれたことだ。
ミズノのドライエアロフローラピッドは、単純な防透け素材ではない。
汗の蒸発を利用するクーリング機能と、近赤外線を吸収する機能を組み合わせた素材であり、競技中の快適性とプライバシー保護を同時に考えた製品である。
一方、どれだけ優れた素材でも、盗撮や画像の悪用をすべて防げるわけではない。
そこで重要になるのが、次の3つの対策だ。
第一に、ウェアの技術開発。
赤外線に対する防透け性を備えた素材の研究・採用を進めること。
第二に、会場での撮影管理。
撮影位置や撮影機材、SNS投稿の範囲を明確にし、違反行為には適切に対応すること。
第三に、性的ハラスメントへの組織的対応。
SVリーグやJOC、各クラブが連携し、選手が安心して競技に集中できる環境を整えること。
そして、ファンにもできることがある。
選手のプレーを尊重し、定められたルールの範囲内で撮影を楽しむこと。不適切な画像や投稿を見かけても、興味本位で拡散せず、適切な窓口に知らせることだ。
選手の身体やプライバシーを犠牲にしてまで、撮影を楽しむ権利が認められるわけではない。
【女子バレーの赤外線盗撮】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:女子バレーのユニフォームは赤外線カメラで透けるのですか?
A1:素材や赤外線の波長、撮影方式によっては衣服の透過情報が得られる場合がある。ただし、すべてのユニフォームが透けるわけではなく、通常のカメラやサーモグラフィで身体が鮮明に見えるという意味でもない。
Q2:2026年の女子バレー日本代表のユニフォームには盗撮対策があるのですか?
A2:ある。2026年5月11日に発表された新ユニフォームのシャツ素材には、ミズノ独自のドライエアロフローラピッドが採用された。近赤外線吸収機能によって赤外線カメラに対する防透け性を高めている。
Q3:ドライエアロフローラピッドは完全に透けない素材ですか?
A3:完全な防止を保証するものではない。ミズノは環境や使用状況によって効果に個人差があると説明している。赤外線への防透け性能を高める技術として理解するのが正確だ。
Q4:SVリーグでは選手の写真撮影は禁止されていますか?
A4:一律禁止ではない。個人利用を目的とする撮影は認められているが、フラッシュ撮影や自席を離れての撮影は禁止されている。動画のSNS投稿にも1セット1ラリーなどの制限がある。
Q5:女子バレーの盗撮を見かけたらどこに通報すればよいですか?
A5:会場内なら大会スタッフや警備担当者に知らせる。性的目的の画像・動画投稿を発見した場合はSVリーグやJOCの報告窓口を利用できる。緊急の犯罪行為については警察への通報も選択肢になる。
Q6:普通の試合写真をSNSに投稿するのも問題になりますか?
A6:個人利用の範囲内で、SVリーグやホームクラブのルールを守った投稿であれば認められる場合がある。ただし、性的な加工やコメントを加える行為、選手の尊厳を傷つける投稿は禁止されている。
女子バレーの赤外線盗撮問題には、赤外線の透過特性という科学的な背景がある。しかし、ネット上で広がる「女子バレーのユニフォームはすべて透ける」という情報は正しくない。素材やカメラの方式によって結果は異なる。
2026年5月に発表された女子日本代表の新ユニフォームでは、ミズノのドライエアロフローラピッドが採用され、近赤外線に対する防透け機能とクーリング機能の両立が図られた。加えて、SVリーグの撮影ルールやJOCの性的ハラスメント防止活動も、選手のプライバシー保護を支えている。
今後注目したいのは、防透け素材の性能評価がどのように進化するか、そして各クラブの撮影管理や通報体制がどこまで充実するかという点だ。選手が安心してプレーでき、ファンも純粋に競技を楽しめる環境づくりが求められている。
女子バレーの魅力は、選手の身体を不適切に撮影することではなく、技術、チームワーク、そして勝利を目指す姿にある。その本質を守ることこそ、ファンとスポーツ界の双方に求められる姿勢だ。
主な参照資料
- ミズノ株式会社「バレーボール女子日本代表、2026年度新ユニフォーム発表」
- 一般財団法人ボーケン品質評価機構「赤外線透過撮影防止」
- SVリーグ「観戦ガイド」「観戦ルール&マナー」
- 群馬グリーンウイングス「2026-27シーズン ホームゲームにおける観戦ルールとお願い」(2026年10月21日)
- 日本オリンピック委員会「アスリートへの写真・動画による性的ハラスメント防止の取り組みについて」