TOKYO BASEの給与を比較するうえで、避けて通れないのが固定残業代です。
営業職と総合職では、固定残業代の対象時間が大きく異なります。
営業職は45時間分、総合職は80時間分営業職は月45時間分の固定残業代として10万円、総合職は月80時間分として17万2,000円が設定されています。
ただし、固定残業時間と実際の残業時間は同じ意味ではありません。
固定残業代は、一定時間分の時間外労働に対する賃金をあらかじめ給与に含める仕組みです。実際の残業時間が設定時間より少なくても、定められた固定残業代は支給されます。また、設定時間を超えた場合は追加支給が必要です。
特に注意したい総合職の80時間設定総合職の募集情報には、見逃せない記載があります。
- 固定残業代:80時間分、17万2,000円
- 80時間を超えた時間外労働:追加支給
- 特別条項付き36協定に関する記載:月間残業時間の上限45時間
つまり、固定残業代の計算基礎は80時間分である一方、同じ採用情報には実際の残業時間の上限を月45時間とする記載もあります。
この2つは区別して考える必要があります。80時間分の手当が含まれているからといって、毎月80時間の残業を求められているという意味ではありません。
加えて、リクナビの総合職採用情報には、月平均所定外労働時間20時間という掲載もあります。募集ページによって対象時期や集計条件が異なる可能性もあるため、実際の配属先や直近の残業実績を確認することが大切です。
入社前に確認しておきたい4つの質問高額な固定残業代を含む給与体系だからこそ、面接や内定後の条件確認では、次の点を具体的に聞いておきたいところです。
1. 配属予定店舗・部署の直近6か月の平均残業時間は何時間か。
2. 固定残業代を超える残業が発生した場合の計算方法はどうなっているか。
3. 休日の顧客対応や店舗イベントへの参加は勤務時間として管理されるか。
4. 繁忙期と通常期で勤務時間や休日取得にどの程度の差があるか。
給与明細の金額だけでは、実際の働き方までは分かりません。
特に総合職40万円の魅力を判断するときは、17万2,000円という固定残業代の大きさを見落とさないようにしたいところです。
【賞与・インセンティブ】TOKYO BASEは基本給以外でも稼げる?

TOKYO BASEの給与体系には、月給以外にも注目すべき仕組みがあります。
それが賞与、顧客様売上手当、業績連動型インセンティブです。
賞与は総合職に昇格した後がポイントマイナビ2027の営業職採用情報では、昇給と賞与について次のように記載されています。
- 昇給:総合職に昇格後、年1回(2月)
- 賞与:総合職に昇格後、年2回(4月・10月)
- 賞与の支給方式:業績連動
ここは新卒応募者が特に注意したいポイントです。
営業職として入社した時点で、総合職と同じ賞与条件が適用されるわけではありません。
営業職から総合職への昇格には明確な基準が設けられており、昇格後に賞与や昇給の条件が変わる仕組みです。
総合職として採用された場合は、年2回の業績連動賞与が募集条件に記載されています。
顧客様売上手当は売上の1%TOKYO BASEの営業職で注目されるのが、顧客様売上手当です。
マイナビの新卒採用情報では、個人の顧客様売上に対して1%を支給する制度が紹介されています。
例えば、顧客様売上が300万円の場合は次の計算になります。
顧客様売上300万円の場合30,000円
採用情報に掲載された計算例。実際の対象売上や支給条件は会社規定によります。
この仕組みの特徴は、単に店舗に立って商品を販売するだけでなく、顧客様との関係を継続的に築くことが収入につながる点です。
来店時の接客だけではなく、顧客様の好みや購入履歴を把握し、次の提案につなげる営業力が評価される構造です。
スターセールス制度では年収1,000万円以上のモデルもさらに注目したいのが、TOKYO BASEが導入しているスターセールス制度です。
2026年3月17日公表の通期決算説明資料では、個人売上の10%を給与に還元する制度として説明されています。
会社資料に掲載された売上基準と想定年収は次のとおりです。
| セールス等級 | 年間売上基準 | 想定年収 |
|---|---|---|
| ワンスター | 8,000万円 | 800万円 |
| ツースター | 1億円 | 1,000万円 |
| スリースター | 1億2,000万円 | 1,200万円 |
| フォースター | 1億5,000万円 | 1,500万円 |
| ファイブスター | 2億円 | 2,000万円 |
出典:TOKYO BASE 2026年1月期通期決算説明資料。会社が示した等級別の想定年収モデルであり、新卒社員の平均年収や保証年収ではありません。
この制度は、販売実績が高いスタッフに大きな報酬を還元する考え方を示しています。
2026年1月期の資料によると、スターセールスの人数は上半期で前期42人から63人に増加。下半期も45人となっています。
ただし、全社員が同じように高収入を得られるわけではありません。年間8,000万円以上という売上基準からも分かるように、相応の顧客基盤と販売実績が必要です。
【初任給引き上げの理由】TOKYO BASEが40万円を掲げた背景
TOKYO BASEが初任給を引き上げた背景には、単なる採用競争だけではなく、ファッション業界における人材の位置付けを変えたいという経営方針があります。
2024年に初任給30万円から40万円へ引き上げTOKYO BASEは2024年3月12日、公式採用サイトで新卒採用初任給を30万円から40万円に引き上げると発表しました。
新しい給与体系は2024年4月入社以降の新入社員に適用され、固定残業代と固定交通費を含む月額支給額として公表されました。
会社が説明した引き上げの理由は大きく3つあります。
1.日本一のファッション企業を目指すため
同社は、ファッション業界の社会的地位を高めるには、働く人の収入水準を上げることも必要だという考えを示しました。
ファッション業界以外からも優秀な人材を獲得し、業界全体の競争力を高める狙いがあります。
2.グローバル基準の給与水準を目指すため
海外展開を進める中で、販売スタッフの仕事を単純な接客・販売だけではなく、幅広い業務を担う専門的な仕事として位置付けています。
その仕事内容に見合った対価を支払うというのが会社の説明です。
3.高水準の給与を支えられる事業モデルを構築したため
東京・名古屋・大阪の中価格帯以上の商業施設を中心とした出店、低価格帯事業の撤廃、営業力の強化などを通じて、生産性を高めてきました。
給与水準を維持できる収益構造が整ったことも、改定の理由として挙げています。
2026年も人材投資を継続2026年3月17日の通期決算説明資料を見ると、同社は初任給だけでなく、新卒採用そのものを強化しています。
新卒入社数の推移は次のとおりです。
- 2024年入社:45人
- 2025年入社:69人
- 2026年入社:84人
- 2027年入社計画:150人
2024年から2026年までの実績は増加傾向にあり、2027年にはさらに大きな採用計画を掲げています。
また、同資料では営業スタッフの全員正社員化や、採用基準を企業風土との適合性、ファッションへの熱意に重点を置く方針も示されています。
つまり、TOKYO BASEの高い初任給は、単に新卒の給与を引き上げる施策ではありません。
高い報酬を提示して人材を集め、正社員として育成し、販売力と生産性を高めるという人的資本への投資として位置付けられています。
ITmediaビジネスオンラインの2026年1月20日付記事でも、同社の初任給引き上げ後、新卒応募数が約3倍、中途応募数が約7倍になったことや、離職率が10.1ポイント低下したことが紹介されています。
給与引き上げが採用面だけでなく、入社後の人材定着や生産性にも影響したという分析です。
【TOKYO BASEの初任給の評判】高給与のメリットと注意点
初任給33万円、40万円という数字は魅力的です。
しかし、実際に働くことを考えるなら、月給の高さと職場環境の両方を見る必要があります。
評価されやすいポイントTOKYO BASEの採用制度から読み取れるメリットは、次のとおりです。
- 新卒段階から比較的高い月額支給額が設定されている。
- 個人の販売実績が手当やインセンティブに結び付く。
- 年次にかかわらず、実績に応じた昇格を目指せる。
- 営業職から総合職へのキャリアアップが可能。
- 店舗経験をEC、マーケティング、商品企画などにつなげられる。
特に、若いうちからファッションビジネスに深く関わりたい人には、魅力的な環境です。
公式の新卒採用ページでも、年功序列ではなく結果主義を掲げ、若手社員の抜擢人事を採用方針として紹介しています。
口コミで指摘される残業や成果主義の厳しさ一方、社員口コミには注意すべき内容もあります。
Indeedの2026年5月更新情報では、8件の口コミに基づく総合評価が5段階中2.4でした。
評価項目では、給与と福利厚生が3.5だった一方、勤務時間と残業は1.5となっています。
また、2026年の投稿には、売上を達成すれば昇進や給与アップにつながるという評価と、業務の忙しさや残業負担を指摘する内容が見られます。
ただし、口コミは投稿者の職種、勤務店舗、在籍時期によって経験が異なります。8件という少ない回答だけで全社員の実態を判断することはできません。
ここで注目したいのは、会社が掲げる成果主義と、実際に働く社員が感じる負担の間に、確認すべきポイントがあることです。
TOKYO BASEに向いている人・向いていない人| 向いている人 | 慎重に検討したい人 |
|---|---|
| ファッションが好きで仕事にしたい | 趣味と仕事を明確に分けたい |
| 個人売上を伸ばすことが好き | 数値目標や売上評価が苦手 |
| 若いうちから責任ある仕事をしたい | 仕事の変化が少ない環境を望む |
| 成果に応じて収入を増やしたい | 安定した賞与を最優先したい |
| 顧客様との関係づくりが得意 | 休日の顧客対応を避けたい |
特に営業職の場合、接客が好きというだけではなく、継続的に顧客様を増やし、個人の売上を管理することへの適性も重要です。
初任給の高さだけで応募を決めず、日々の業務と評価制度が自分の価値観に合っているかを考えたいところです。
【よくある質問】TOKYO BASEの初任給に関するFAQ
Q1:TOKYO BASEの2026年の新卒初任給はいくらですか?
営業職は2026年1月実績で月給33万円です。総合職は採用掲載実績で月給40万円です。ただし、総合職の掲載給与は2025年3月実績であり、営業職とは職種・実績年月が異なります。
Q2:営業職の基本給は20万4,000円ですか?
はい。2026年1月実績の新卒営業職の基本給は20万4,000円です。総合職の基本給は20万3,000円で、職種によって異なります。
Q3:固定残業代80時間分は必ず80時間働くという意味ですか?
いいえ。固定残業代の対象時間と実際の残業時間は別です。総合職の募集情報には80時間分の固定残業代が掲載されていますが、別の採用情報には月平均所定外労働時間20時間という記載もあります。実際の勤務状況は配属先を含めて確認してください。
Q4:営業職にもボーナスはありますか?
マイナビの新卒営業職採用情報では、賞与は総合職に昇格した後、年2回(4月・10月)の業績連動型とされています。営業職としてのインセンティブや顧客様売上手当は別途確認できます。
Q5:初任給33万円なら年収396万円ですか?
月給33万円を12か月受け取る単純計算では396万円です。総合職40万円なら480万円です。ただし、これは賞与やインセンティブを含まない額面の年額換算であり、実際の年収や手取り額とは異なります。
Q6:STUDIOUSとUNITED TOKYOでは初任給が違いますか?
採用情報では、ブランド別ではなくTOKYO BASEの営業職・総合職という採用区分で給与が掲載されています。配属ブランドだけで初任給が変わるという情報は確認できません。
2026年のTOKYO BASEの新卒採用情報を整理すると、営業職は月給33万円、総合職は月給40万円という高水準の給与体系が確認できます。
ただし、重要なのは総額だけではありません。
- 営業職の基本給は20万4,000円。
- 総合職の基本給は20万3,000円。
- 営業職は45時間分の固定残業代10万円。
- 総合職は80時間分の固定残業代17万2,000円。
- 顧客様売上手当は売上の1%。
- 総合職の賞与は年2回の業績連動型。
- 営業職から総合職への昇格制度も用意されている。
TOKYO BASEの初任給が高い背景には、ファッション業界の待遇改善、グローバル展開、人材獲得、営業力の強化という経営戦略があります。
一方で、固定残業代の設定や成果主義の評価制度は、入社後の働き方にも関わる重要な要素です。
給与の高さを最大限に生かせるかどうかは、自分が成果主義の環境で成長したいのか、それとも安定した労働時間や固定的な待遇を重視するのかによって変わります。
STUDIOUSやUNITED TOKYOなどのブランドで働きたい就活生にとっても、ブランドへの興味だけでなく、採用区分、給与内訳、昇格条件まで確認することが、納得できる就職先選びにつながります。
記事の基準日:2026年11月6日。主な参照資料:TOKYO BASE公式採用情報、マイナビ2027、リクナビ2027、2026年1月期通期決算説明資料、ITmediaビジネスオンライン。