横浜DeNAベイスターズの外野手・度会隆輝が、最初にプロ野球ドラフト会議で指名漏れを経験したのは、横浜高校3年生だった2020年10月26日です。当時から高い打撃センスを評価され、プロ志望届も提出していましたが、最後まで名前は呼ばれませんでした。
しかし、その3年後の2023年10月26日、ENEOSで成長した度会は、中日・千葉ロッテ・DeNAの3球団競合によるドラフト1位指名を受け、DeNAが交渉権を獲得します。2026年シーズンには134試合に出場し、打率.274、9本塁打、51打点を記録。高校時代の指名漏れから、プロの舞台で着実に実績を積み上げています。
なぜ2020年には指名されなかったのか。ENEOSで何を身につけ、どのようにドラフト1位まで評価を高めたのか。父・度会博文との関係や、2026年の最新成績も含めて、公式記録と当時の報道をもとに振り返ります。
【2020年】度会隆輝が横浜高校時代にドラフト指名漏れした経緯

度会隆輝のドラフト指名漏れを理解するには、まず横浜高校時代の実績を振り返る必要があります。
2002年10月4日生まれの度会は、千葉県出身。父は元東京ヤクルトスワローズの内野手・度会博文です。幼い頃から野球に親しみ、中学時代にはU-15日本代表にも選ばれるなど、早くから将来を期待されていました。
横浜高校では1年生から注目される存在だった度会は名門・横浜高校に進学すると、1年生の春からベンチ入り。2018年夏の甲子園、2019年春のセンバツにも出場しました。
特に評価されていたのが、左打者としての高いバッティングセンスです。ボールを捉える技術に優れ、強い打球を広角に打ち分けられる能力は、高校時代から注目されていました。
そして2020年、高校3年生となった度会はプロ志望届を提出。プロ野球選手になるという目標を掲げ、10月26日のドラフト会議を迎えます。
しかし、結果は指名漏れでした。
TBS NEWS DIGの2023年10月24日付の報道によると、当日は父・博文さん、母・祥子さん、兄・基輝さんが見守るなか、最後まで度会の名前が呼ばれることはありませんでした。
本人は当時の心境について、頭が真っ白になり、時間が止まったように感じたと振り返っています。高い期待を背負っていた選手だからこそ、その悔しさは大きなものでした。
2020年の指名漏れの理由は何だったのか?検索されることの多い疑問が、なぜ高校時代に指名されなかったのかという点です。
この点で重要なのが、度会本人が2023年のドラフト前に語った自己評価です。
「どこがとかではなく、走攻守全てで甘かったと思います」
これはFull-Countが2023年9月29日に掲載したインタビューで紹介された発言です。打撃だけではなく、走塁や守備を含めた総合力に課題を感じていたことが分かります。
つまり、2020年の指名漏れを単純に「打撃力が足りなかったから」と説明するのは正確ではありません。
プロ野球のドラフトでは、打撃能力だけでなく、守備位置への適性、走力、身体能力、将来性、球団の補強方針など、さまざまな要素が判断材料になります。高校生の場合、現時点の完成度だけでなく、数年後にどこまで成長できるかも評価の対象です。
度会の場合、球団ごとの具体的な指名見送り理由は公表されていません。一方で、本人が走攻守すべての成長を課題として認識していたことは、後のENEOS時代の取り組みを理解する重要な手がかりです。
指名漏れは野球選手としての評価がゼロだったという意味ではありません。プロ入りに向けて、さらに成長する必要があったという現実を突きつけられた出来事でした。
【ENEOS入社】指名漏れから社会人野球を選んだ理由と成長
2020年のドラフトで指名されなかった度会は、高校卒業後の進路として大学ではなく、社会人野球の強豪・ENEOSを選びました。
この選択には、できるだけ早くプロ野球選手になりたいという本人の明確な目標がありました。
大学ではなくENEOSを選んだ決断TBS NEWS DIGの取材で、度会は進路選択の理由について、大学野球では卒業まで4年かかる一方、社会人野球なら高卒から3年でプロ入りするチャンスがあると説明しています。
つまり、2023年のドラフトを次の目標に設定し、最短でプロを目指せる環境を選んだのです。
2021年、ENEOSに入社した度会は、持ち味の打撃を武器に早くから出場機会を獲得します。
注目したいのは、単に打撃成績を伸ばすだけではなく、守備位置も変えて新しい役割に挑戦したことです。高校時代は内野手としてプレーしていましたが、ENEOSでは外野手としての経験を積みました。
プロの世界で長く活躍するためには、打てるだけの選手では不十分です。守備や走塁も含めて、チームに貢献できる選手になる必要がありました。
2022年の都市対抗野球で一気に評価を高める度会のキャリアにおける最大の転換点が、2022年の第93回都市対抗野球大会です。
ENEOSは決勝で東京ガスと対戦。4点を追う展開から、度会が6回に3ラン本塁打を放つなど、打線が一気に反撃し、5対4で逆転優勝を果たしました。
この大会で度会が残した成績は、打率.429、4本塁打、11打点。5試合を通して圧倒的な打撃力を発揮しました。
加えて、個人表彰では次の3つを獲得しています。
- 橋戸賞:大会最優秀選手に贈られる賞
- 打撃賞:大会で優れた打撃成績を残した選手への賞
- 若獅子賞:新人選手の活躍を評価する賞
野手としてこの3賞を独占したのは、1975年の丹利男氏以来2人目。ENEOSの公式記録でも、度会の活躍は歴史的な快挙として紹介されています。
高校時代のドラフト指名漏れから約2年。度会は社会人野球の全国大会で結果を残し、プロのスカウトからも注目される存在へと変わっていきました。
【経歴年表】2020年の指名漏れから2023年ドラフト1位までの転換点
度会隆輝のキャリアを理解するうえで重要なのは、2020年と2023年のドラフト結果だけを比較するのではなく、その間の3年間にどのような変化があったかを見ることです。
主要な出来事を時系列で整理すると、次のようになります。
この年表から分かるのは、度会が高校時代の評価をそのままプロ入りにつなげたのではなく、社会人野球で改めて実力を証明したということです。
特に2022年の都市対抗野球は、打撃能力だけでなく、大舞台で結果を残せる勝負強さを示した大会でした。
また、2023年のドラフト解禁年には、都市対抗野球で思うような結果を残せない苦しい時期もありました。Full-Countによると、同年の都市対抗では2試合で9打数1安打。それでも、前年の実績や社会人野球で積み上げた成長が評価され、ドラフト1位候補として注目されていました。
【2023年ドラフト】中日・ロッテ・DeNAの3球団競合で1位指名
2023年10月26日。度会隆輝にとって、2020年の指名漏れから3年越しとなるドラフト会議が開催されました。
当時21歳だった度会は、ENEOSの社会人野球選手としてプロ入りを目指していました。そして、結果は高校時代とはまったく異なるものでした。
中日・ロッテ・DeNAが1位で指名度会を1位指名したのは、次の3球団です。
- 中日ドラゴンズ
- 千葉ロッテマリーンズ
- 横浜DeNAベイスターズ
中日は事前に度会の1位指名を公表していましたが、ドラフト当日にはDeNAとロッテも指名。3球団による抽選となりました。
抽選の結果、交渉権を獲得したのはDeNAです。三浦大輔監督が当たりくじを引き当て、横浜を本拠地とする球団への入団が決まりました。
DeNAの公式発表でも、度会は2023年ドラフト1位の外野手として掲載されています。
3年前の悔しさが歓喜に変わった瞬間ドラフト指名を受けた度会は涙を見せました。
2020年には、プロ志望届を提出しても名前を呼ばれませんでした。しかし2023年には、3球団が競合するほどの評価を受け、ドラフト1位という最高の形でプロ入りを実現したのです。
スポーツ紙の報道でも、2020年の指名漏れから3年越しのドラフト1位という経歴が大きく取り上げられました。
この出来事は、単に指名順位が上がったという話ではありません。本人が課題と認識していた走攻守の総合力を、社会人野球の3年間で磨き上げた結果でもあります。
また、ENEOSで指導を受けた大久保秀昭監督やチームメートとの出会いも、度会の成長を支えた重要な要素でした。
父・度会博文もプロ野球選手だった度会隆輝を語るうえで欠かせない人物が、父親の度会博文です。
博文さんは元東京ヤクルトスワローズの内野手で、15年間にわたってプロ野球選手としてプレーしました。TBS NEWS DIGの報道では、チームを支えた選手として紹介されています。
父と同じプロ野球の舞台を目指してきた隆輝にとって、2023年のドラフト1位指名は自身の夢を実現する瞬間であると同時に、親子2代でプロ入りを果たす節目でもありました。
2020年の指名漏れ後、父・博文さんは息子を励まし、社会人野球で再びプロを目指すよう背中を押したと報じられています。
ただし、隆輝のプロ入りは父親の知名度によるものではありません。ENEOSでの実績と本人の努力によって、3球団競合の1位指名を勝ち取ったことが重要です。
【2026年最新成績】度会隆輝の打率・本塁打・打点と現在
2026年11月現在、度会隆輝は横浜DeNAベイスターズに所属する外野手です。
日本野球機構(NPB)の個人年度別成績によると、2026年シーズン終了時点の成績は、打率.274、9本塁打、51打点。一軍で134試合に出場し、129安打を記録しました。
2024年から2026年までの年度別成績プロ入り後の一軍打撃成績を比較すると、次のとおりです。
| 年度 | 試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 75 | .255 | 3 | 24 |
| 2025年 | 86 | .241 | 6 | 25 |
| 2026年 | 134 | .274 | 9 | 51 |
出典:日本野球機構(NPB)個人年度別成績。2026年はシーズン終了時点。
数字を見ると、2026年は出場試合数、本塁打、打点、打率のいずれも前年から伸びています。
特に注目したいのは、2025年の打率.241から2026年には.274まで上昇した点です。本塁打も6本から9本へ増加し、打点は25から51へと大きく伸びました。
2026年の成績をどう評価すべきか2026年の度会は、単純に長打を狙うだけでなく、安打を積み重ねながら得点にも結びつける打撃を見せました。
NPBの記録では、129安打、二塁打21本、三塁打1本、本塁打9本。出塁率は.334、長打率は.380です。
打率.274という数字は、2025年からの改善を示しています。また、134試合に出場したことも、シーズンを通してチームの戦力として起用されたことを示す材料です。
一方で、ドラフト1位の外野手としては、さらに長打力を伸ばせる余地もあります。9本塁打という実績を土台に、二桁本塁打の定着や得点圏での打撃など、今後の成長にも期待が集まります。
高校時代に指名漏れを経験した選手が、プロ3年目に134試合出場、打率.274という数字を残したことは、キャリアの変化を示す大きな成果です。
度会隆輝の現在は?所属球団やプロフィール2026年シーズン終了時点での基本プロフィールは以下のとおりです。
- 名前:度会隆輝(わたらい・りゅうき)
- 生年月日:2002年10月4日
- 年齢:24歳(2026年11月現在)
- 出身地:千葉県
- 身長:183cm
- 体重:83kg
- 投打:右投左打
- ポジション:外野手
- 所属:横浜DeNAベイスターズ
- 背番号:4
- ドラフト:2023年1位
経歴は横浜高校、ENEOS、横浜DeNAベイスターズという流れです。2026年現在もDeNAの外野手としてプレーしています。
【プロの結論】度会隆輝の指名漏れから学べるドラフト評価の本質
度会隆輝のキャリアを振り返ると、2020年の指名漏れと2023年のドラフト1位指名は、矛盾する結果ではありません。
むしろ、選手の評価が成長とともに変わることを示す、分かりやすい事例です。
1. 高校時代の評価だけでプロ入りが決まるわけではない度会は横浜高校時代から打撃センスを評価されていました。しかし、プロの球団が求めるのは、打撃だけでなく、走塁や守備を含めた総合的な能力です。
本人も後に走攻守すべてに課題があったと振り返っています。高校時代の実績と、プロで即戦力として活躍できるかどうかは別の評価軸です。
2. 社会人野球はプロへの再挑戦の場になるENEOSで過ごした3年間は、度会にとって単なる待機期間ではありませんでした。
実戦経験を積み、外野手としての守備を磨き、全国大会で結果を残すことで、プロ球団に成長を証明する機会を得ました。
2022年の都市対抗野球での3冠は、その成長を象徴する実績です。
3. ドラフト順位は過去の評価ではなく、その時点の評価を反映する2020年には指名されなかった度会が、2023年には3球団競合の1位指名を受けました。
この変化は、ドラフトが過去の知名度や高校時代の実績だけで決まるものではないことを示しています。選手がどのような環境で経験を積み、どのように課題を克服し、現在どれだけの能力を発揮できるかが評価されます。
ドラフト候補の選手を見る際にも、単年度の成績だけでなく、複数年の成長曲線や守備位置の変化、全国大会での実績を合わせて判断することが大切です。
【度会隆輝のドラフト指名漏れ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:度会隆輝がドラフト指名漏れしたのは何年ですか?
A1:2020年です。横浜高校3年生だった度会はプロ志望届を提出しましたが、10月26日のドラフト会議で指名されませんでした。
Q2:度会隆輝が2020年に指名されなかった理由は何ですか?
A2:球団ごとの具体的な指名見送り理由は公表されていません。本人は後のインタビューで、走攻守すべてに甘さがあったと振り返っています。
Q3:度会隆輝は指名漏れ後、どこの会社に入社しましたか?
A3:社会人野球の強豪・ENEOSに入社しました。大学ではなく社会人野球を選んだのは、より早くプロ入りを目指せる環境だったためです。
Q4:度会隆輝が都市対抗野球で橋戸賞を受賞したのはいつですか?
A4:2022年の第93回都市対抗野球大会です。打率.429、4本塁打、11打点を記録し、橋戸賞・打撃賞・若獅子賞を獲得しました。
Q5:度会隆輝は2023年のドラフトで何球団から指名されましたか?
A5:中日、千葉ロッテ、横浜DeNAの3球団から1位指名を受けました。抽選でDeNAの三浦大輔監督が交渉権を獲得しました。
Q6:度会隆輝の2026年の成績は?
A6:NPB公式記録によると、2026年シーズンは134試合に出場し、打率.274、129安打、9本塁打、51打点を記録しました。
Q7:度会隆輝の父親は誰ですか?
A7:父親は元東京ヤクルトスワローズの内野手・度会博文さんです。現役時代は15年間プレーし、隆輝も父と同じプロ野球選手の道に進みました。
度会隆輝のドラフト指名漏れは、横浜高校3年生だった2020年に起きました。プロ志望届を提出しながらも指名されず、本人にとって大きな悔しさを味わった出来事でした。
しかし、そこでプロへの夢を諦めることはありませんでした。ENEOSに入社し、社会人野球の舞台で打撃力だけでなく走攻守の総合力を磨き、2022年には都市対抗野球で橋戸賞を含む3冠を達成します。
そして2023年、中日・ロッテ・DeNAの3球団競合によるドラフト1位指名を受け、DeNAへの入団を実現しました。
2026年シーズンも、打率.274、9本塁打、51打点という成績を残し、134試合に出場。高校時代の指名漏れからプロ入りまでの道のりは、社会人野球での努力と成長が実を結んだキャリアとして記録されています。
今後の注目点は、2026年に見せた打率の向上と出場機会の増加を、さらに安定した成績につなげられるかどうかです。二桁本塁打の定着や打点の上積みなど、DeNAの中心選手へ成長する可能性にも期待がかかります。
2020年の指名漏れは、度会隆輝の野球人生の終わりではなく、プロ野球選手になるための新たな出発点でした。2026年の現在も、その挑戦は続いています。
主な参考資料:日本野球機構(NPB)個人年度別成績、横浜DeNAベイスターズ公式発表、ENEOS野球部公式記録、TBS NEWS DIG、Full-Count、日刊スポーツ、スポニチ。