2026年の北海道日本ハムファイターズと埼玉西武ライオンズの対戦は、レギュラーシーズンの12勝12敗1分という完全な五分の成績で幕を閉じた。しかし、両チームが激突したクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは、日本ハムが第1戦のサヨナラ負けから立て直し、2連勝でファイナルステージ進出を決めている。
10月10日から12日までベルーナドームで開催された全3試合では、カナリオの劇的なサヨナラホームラン、奈良間大己の逆転2ランホームラン、達孝太と伊藤大海の好投など、見逃せない場面が相次いだ。レギュラーシーズンでは互角だった両チームの勝負を、短期決戦では何が分けたのか。
【まず結論】2026年の日本ハム対西武はレギュラーシーズン五分、CSは日本ハムが突破

2026年の日本ハム対西武を振り返るうえで、最初に押さえておきたいのがレギュラーシーズンとポストシーズンの結果の違いだ。
日本野球機構(NPB)の2026年度公式記録によると、両チームのレギュラーシーズンの直接対決は日本ハム12勝、西武12勝、引き分け1。25試合を戦って勝敗が並ぶ、実力伯仲のシーズンとなった。
ただし、対戦場所によって成績には違いがあった。NPBがCS開幕前に公表した展望では、西武はエスコンフィールドで8勝5敗、日本ハムはベルーナドームで7勝4敗1分と、それぞれ敵地で勝ち越していた。
つまり、2026年の両チームは本拠地の利だけでは優劣を説明できない関係だった。シーズン終盤には日本ハムが3勝1分と追い上げており、ファーストステージを前にしても、どちらが有利か簡単には判断できない状況だった。
そして10月10日に始まったCSでは、西武が初戦をサヨナラ勝利で制したものの、日本ハムが第2戦、第3戦を連取。最終的には日本ハムが2勝1敗で次のステージへ進んだ。
【試合結果一覧】日本ハム対西武CSファーストステージ全3試合のスコア
2026年パ・リーグのCSファーストステージは、10月10日から12日までの3試合制。レギュラーシーズン2位の西武がホームチームとなり、3位の日本ハムをベルーナドームに迎えた。
全試合のスコアを西武対日本ハムの順番で整理すると、次のとおりだ。
| 日程 | 試合 | スコア(西武-日本ハム) | 主な出来事 | 勝利チーム |
|---|---|---|---|---|
| 10月10日 | 第1戦 | 3-2 | 10回裏、カナリオがサヨナラホームラン。奈良間は逆転2ラン。 | 西武 |
| 10月11日 | 第2戦 | 0-1 | 野村佑希の適時二塁打。達孝太が6回無失点。 | 日本ハム |
| 10月12日 | 第3戦 | 1-4 | 野村の先制打、万波の本塁打、伊藤大海の好投。 | 日本ハム |
シリーズの最終成績は西武1勝、日本ハム2勝。第1戦を落とした日本ハムが、残り2試合を連勝する展開となった。
第1戦:カナリオのサヨナラホームランで西武が先勝10月10日の第1戦は、延長10回までもつれ込む接戦となった。
西武は1回裏、平沢大河のソロホームランで先制。先発の平良海馬も序盤を無失点で切り抜け、試合の主導権を握った。
しかし4回表、日本ハムの奈良間大己が2ランホームランを放ち、試合を2対1と逆転する。先頭打者への四球や盗塁を絡めて得点圏に進み、2死から一気に試合をひっくり返した一打だった。
西武も反撃する。5回裏、長谷川信哉のセーフティーバントなどでチャンスをつくり、西川愛也の適時打で2対2の同点に追いついた。
その後は両チームの救援陣が踏ん張り、試合は延長戦へ。10回表を豆田泰志が無失点で抑えると、10回裏にカナリオが打席に立った。
1死走者なしの場面で、カナリオは細野晴希の変化球を捉え、左翼スタンドへサヨナラホームラン。西武が3対2で劇的な勝利を収めた。
日本ハムにとっては、奈良間の逆転弾が生まれながらも、最後の一打で勝利を逃した悔しい試合だった。一方の西武は、カナリオの一振りでシリーズ突破に王手をかけた。
第2戦:達孝太が6回無失点、野村佑希の一打で日本ハムが反撃10月11日の第2戦は、前日の打撃戦から一転して投手戦となった。
日本ハムの先発は達孝太。序盤から西武打線を抑え、6回を3安打、2四死球、7奪三振、無失点にまとめた。
西武の先発・高橋光成も好投し、4回まで両チーム無得点。均衡が破れたのは5回表だった。
日本ハムは田宮裕涼の安打などで好機をつくり、2死二塁から野村佑希が左中間への適時二塁打を放つ。これが決勝点となった。
7回以降は福島蓮、堀瑞輝、柳川大晟がつなぎ、西武打線を封じ込めた。
最終スコアは日本ハム1対0西武。4投手による完封リレーで、日本ハムがシリーズを1勝1敗のタイに戻した。
この試合の要点は、達の先発としての役割だけではない。1点を取った後、救援陣がそのリードを最後まで守り切ったことが大きかった。初戦で延長サヨナラ負けを喫したチームが、翌日に投手力で立て直したのである。
第3戦:伊藤大海の粘投と打線の援護で日本ハムがファイナル進出10月12日の第3戦は、ファーストステージ突破を懸けた最終決戦となった。
日本ハムは2回表、郡司裕也とレイエスの連打で好機をつくり、野村佑希の適時打で先制。4回には万波中正がシリーズ1号となるソロホームランを放ち、リードを広げた。
さらに5回には山縣秀の二塁打などからチャンスをつくり、奈良間大己の犠牲フライで追加点を獲得。7回には相手投手の暴投によって4点目が入った。
投げては先発の伊藤大海が5回1失点。試合中に2度のアクシデントがありながらも、最少失点で試合をつくった。
6回以降は救援陣が西武の反撃を抑え、最終回は柳川大晟が3人で締めた。
西武も5回裏に1点を返したが、反撃はそこまで。試合は日本ハム4対1西武で終了した。
これにより日本ハムは2連勝でファーストステージを突破。3年連続のCSファイナルステージ進出を決めた。
【勝敗を分けたポイント】日本ハムが1敗から2連勝できた理由
2026年の日本ハム対西武CSは、単純な打撃力の差だけで決まったシリーズではない。3試合を通じて見ると、先発投手の安定感、救援陣の継投、得点機会での集中力が勝敗を左右した。
1. 第1戦の敗北を引きずらず、投手戦に切り替えた第1戦では、奈良間の逆転2ランでリードを奪いながら、延長10回にカナリオのサヨナラ弾を浴びた。
短期決戦では、こうした劇的な敗戦の後にチームの立て直しが難しくなることもある。しかし、日本ハムは翌日の第2戦で達を先発に立て、1点を守り抜く試合を実現した。
第1戦と第2戦では試合展開が大きく異なる。初戦の長い延長戦から、翌日は投手中心の接戦へと切り替えられた点がシリーズの流れを変えた。
2. 野村佑希が第2戦と第3戦で得点に直結する働き野村佑希は第2戦で決勝の適時二塁打を放ち、第3戦でも先制適時打を記録した。
両試合とも序盤から大量得点を重ねる展開ではなかっただけに、先制点を奪う打撃の価値は大きい。接戦を制するうえで、野村の連日の活躍は重要な要素だった。
また、第3戦では万波中正の本塁打、奈良間の犠牲フライなど、複数の選手がそれぞれの役割を果たした。特定の打者だけに依存せず、得点を積み上げたことも勝因の一つだ。
3. 達孝太と伊藤大海が試合の土台をつくった第2戦の達は6回無失点、第3戦の伊藤は5回1失点。2人が先発として試合をつくったことで、日本ハムは救援陣を含めた継投を組み立てやすくなった。
特に第2戦は1点差のまま最終回を迎えたため、救援投手が失点を許さないことが絶対条件だった。福島、堀、柳川がそれぞれ役割を果たし、リードを守り切った。
一方の西武は、第1戦こそカナリオのサヨナラ弾で勝利したものの、第2戦、第3戦では打線が得点を伸ばせなかった。第3戦も5安打1得点にとどまっており、投手陣を援護できなかったことが敗退につながった。
結果として、日本ハムは第1戦で敗れた後、2試合連続で相手の得点を抑え、少ない好機を得点に結び付ける戦い方を実現した。
【2026年パ・リーグ最終順位】西武2位、日本ハム3位の成績を比較
CSの結果だけでなく、両球団のレギュラーシーズン最終順位も確認しておきたい。
NPBが公表した2026年度パ・リーグの最終成績は次のとおりだ。
埼玉西武ライオンズ:2位
143試合を戦い、79勝60敗4分、勝率.568。福岡ソフトバンクに次ぐ2位でシーズンを終えた。
北海道日本ハムファイターズ:3位
143試合で78勝62敗3分、勝率.557。西武とは1.5ゲーム差で、3位からCSファーストステージに進出した。
リーグ優勝は91勝49敗3分、勝率.650の福岡ソフトバンクだった。西武とのゲーム差は11.5、日本ハムとのゲーム差は13.0となっている。
注目したいのは、西武と日本ハムの勝率差がわずか.011だったことだ。直接対決が12勝12敗1分だったことも含め、シーズンを通して両チームの実力が近い位置にあったことが数字に表れている。
順位では西武が上だったものの、CSでは日本ハムが2勝1敗で上回った。レギュラーシーズンの順位と短期決戦の結果は、必ずしも一致しないことを示す対戦となった。
【CSファイナルステージの結果】日本ハムは進出後にソフトバンクに敗退
日本ハムの2026年CSは、ファーストステージ突破で終わったわけではない。その後、レギュラーシーズン1位の福岡ソフトバンクホークスとファイナルステージで対戦した。
会場はみずほPayPayドーム。試合は10月14日から16日まで行われ、結果は次のとおりだった。
- 10月14日・第1戦:日本ハム4対6ソフトバンク
- 10月15日・第2戦:日本ハム2対6ソフトバンク
- 10月16日・第3戦:日本ハム2対6ソフトバンク
日本ハムは3試合とも敗戦。ファーストステージを突破したものの、日本シリーズ進出は果たせなかった。
2026年から導入されたCSの2勝アドバンテージこのファイナルステージを理解するうえで重要なのが、2026年から導入されたクライマックスシリーズの新ルールだ。
NPBの2026年8月24日付公式発表によると、ファイナルステージでは、リーグ優勝球団とファーストステージ勝者とのゲーム差が10以上、またはファーストステージ勝者の勝率が5割未満の場合、リーグ優勝球団に2勝のアドバンテージが与えられる。
今回のパ・リーグでは、ソフトバンクと日本ハムのレギュラーシーズンのゲーム差が13.0だったため、この条件に該当した。
その結果、ソフトバンクは最初から2勝を持った状態でファイナルステージを開始。7試合制で先に5勝したチームが日本シリーズに進出する方式となった。
ソフトバンクは実際の試合でも3連勝し、アドバンテージを含めて5勝0敗で日本シリーズ進出を決めた。
ここで間違えやすいのが、日本ハムがファイナルステージに進出したことと、日本シリーズに進出したことは別だという点だ。日本ハムが達成したのはファイナルステージ進出であり、日本シリーズ出場権を獲得したわけではない。
【プロの結論】2026年の日本ハム対西武から読み解く短期決戦の本質
2026年の日本ハム対西武は、レギュラーシーズンの数字とCSの結果を分けて考えることで、両チームの特徴がより明確になる。
レギュラーシーズンは12勝12敗1分。西武が2位、日本ハムが3位という順位だったが、直接対決では明確な優劣がつかなかった。
ところがCSでは、日本ハムが第1戦を落とした後、達孝太と伊藤大海の先発登板を軸に2連勝した。短期決戦で重要なのは、シーズン全体の勝率だけでなく、目の前の試合で先発投手がどこまで試合をつくり、救援陣がリードを守れるかという点だ。
西武にも見せ場はあった。奈良間の逆転2ラン、カナリオのサヨナラホームランは、シリーズの記憶に残る大きな場面だった。しかし、3試合を通じて見ると、第2戦と第3戦で打線が十分に得点できなかったことが痛かった。
また、2026年のCSはファイナルステージのアドバンテージ制度が変更された初年度でもある。レギュラーシーズンのゲーム差が10以上あれば、リーグ優勝球団に2勝のアドバンテージが与えられる仕組みは、ポストシーズンの戦い方を考えるうえで見逃せない変更だった。
2026年の対戦を評価するなら、次の3点が判断基準になる。
- シーズンの実力比較:12勝12敗1分という数字から、両チームは直接対決で互角だった。
- 短期決戦の対応力:日本ハムは初戦のサヨナラ負けから立て直し、先発投手と救援陣の力で2連勝した。
- ポストシーズン全体の評価:日本ハムはファイナルステージまで進んだが、ソフトバンクの2勝アドバンテージを含む5勝先取の壁を越えられなかった。
単純に順位だけを見て強さを判断するのではなく、レギュラーシーズン、ファーストステージ、ファイナルステージをそれぞれ分けて評価することが、2026年のパ・リーグを正しく振り返るポイントになる。
【日本ハム西武】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の日本ハム対西武のレギュラーシーズンの対戦成績は?
A1:日本ハム12勝、西武12勝、引き分け1の計25試合で、完全な五分だった。
Q2:2026年CSファーストステージの最終結果は?
A2:日本ハムが2勝1敗で西武を破った。第1戦は西武が3対2、第2戦は日本ハムが1対0、第3戦は日本ハムが4対1で勝利した。
Q3:カナリオのサヨナラホームランは何戦で出た?
A3:10月10日のファーストステージ第1戦。延長10回裏に放ったサヨナラホームランで、西武が3対2で勝利した。
Q4:奈良間大己の逆転2ランホームランはいつ出た?
A4:10月10日の第1戦、4回表に放った。西武に先制された後、日本ハムが2対1と逆転する一打となった。
Q5:2026年の西武と日本ハムの最終順位は?
A5:西武がパ・リーグ2位で79勝60敗4分、日本ハムが3位で78勝62敗3分だった。
Q6:日本ハムは2026年のCSファイナルステージを突破した?
A6:ファーストステージは突破したが、ファイナルステージではソフトバンクに3連敗。2勝のアドバンテージを含めて0勝5敗となり、日本シリーズ進出はならなかった。
2026年の日本ハム対西武は、レギュラーシーズンでは12勝12敗1分という互角の結果だった。しかし、ベルーナドームで行われたCSファーストステージでは、日本ハムが第1戦の敗北から立ち直り、2連勝でファイナルステージ進出を決めた。
第1戦のカナリオによるサヨナラホームラン、第2戦の達孝太の6回無失点、第3戦の伊藤大海の5回1失点と野村佑希、万波中正らの打撃は、シリーズを象徴する出来事となった。
最終順位は西武が2位、日本ハムが3位。日本ハムはその後ソフトバンクとのファイナルステージに進んだものの、新ルールによる2勝のアドバンテージを持つ相手に3連敗し、シーズンを終えた。
2026年の両チームの対戦を象徴するのは、シーズンでは互角だった両者の勝負が、CSでは日本ハムの投手力と勝負どころでの得点力によって決着したことだ。 レギュラーシーズンの順位だけでは測れない、短期決戦ならではのドラマが詰まった3試合だった。
公式記録・試合戦評の参照資料