2022年11月20日から12月18日までカタールで開催されたFIFAワールドカップ。日本代表はグループEでドイツとスペインという世界王者経験国を相次いで撃破し、勝ち点6でグループ首位通過を果たした。大会前には厳しい戦いが予想されていた日本が、優勝候補を2チームも破った快挙は、世界のサッカー界に大きな衝撃を与えた。
一方、コスタリカ戦では0対1で敗れ、決勝トーナメント1回戦ではクロアチアと延長戦まで戦いながらPK戦で敗退。森保一監督の采配、堂安律のゴール、三笘薫と田中碧による歴史的な逆転ゴール、そして「1ミリ」と話題になったVAR判定など、2022年大会には日本サッカーの可能性と課題が凝縮されていた。2026年11月の視点から、全試合の結果、選手の活躍、戦術、歴代成績との比較まで振り返る。
【大会の全体像】ワールドカップ2022の日本代表はなぜ世界を驚かせたのか

日本代表が参加したカタール大会は、チームにとって7回目のワールドカップ出場だった。1998年のフランス大会で初出場を果たして以来、継続的に世界最高峰の舞台に立ってきた日本だが、ベスト8進出は一度も達成していなかった。
2022年大会で日本が入ったグループEは、非常に厳しい組み合わせだった。対戦相手は、2014年大会王者のドイツ、2010年大会王者のスペイン、そして北中米の強豪コスタリカ。過去の優勝国が2チームも含まれており、日本にとって決勝トーナメント進出は簡単な目標ではなかった。
森保一監督が率いる日本代表には、欧州のクラブでプレーする選手が多数在籍していた。主な顔ぶれには、以下の選手がいた。
- 堂安律:ドイツ戦、スペイン戦でゴールを決めた攻撃の中心選手。
- 三笘薫:独特のドリブル突破とスピードで相手守備陣を脅かしたウイング。
- 田中碧:スペイン戦で決勝ゴールを決めた中盤の選手。
- 遠藤航:中盤の守備とボール奪取を担ったキャプテンシーのある選手。
- 伊東純也:右サイドからのスピードある攻撃でチームに推進力を与えた。
- 浅野拓磨:ドイツ戦で決勝点を決めた途中出場のストライカー。
- 権田修一:強豪国との試合で重要なセーブを見せたゴールキーパー。
- 吉田麻也:守備陣を統率したキャプテン。
このチームの特徴は、必ずしもボールを保持し続けることにこだわらなかった点にある。相手の攻撃を受け止めながら守備ブロックを形成し、ボールを奪った瞬間に前線へ素早く展開する。相手の陣形が整う前に攻撃を完結させることで、個々の能力が高い強豪国に対抗した。
FIFAの大会分析でも、森保監督が従来のポゼッション重視とは異なる実践的なアプローチを採用し、守備から攻撃への素早い切り替えを重視したことが評価されている。
【全4試合の結果】ドイツ撃破からスペイン戦の逆転劇、クロアチアPK戦まで
日本代表の2022年大会を理解するには、4試合を時系列で追う必要がある。ドイツ戦での逆転勝利、コスタリカ戦での停滞、スペイン戦での再逆転、そしてクロアチアとの死闘。それぞれの試合で異なる課題と強みが表れた。
第1戦:ドイツ戦は2対1の逆転勝利試合日:2022年11月23日
結果:日本 2対1 ドイツ
大会初戦の相手は、優勝候補の一角だったドイツ。日本は前半から相手にボールを支配され、守備に追われる時間が続いた。
前半33分、イルカイ・ギュンドアンにPKを決められ、日本は0対1で前半を終える。ドイツの組織的な攻撃に対し、日本は自陣で耐える展開となった。
後半、森保監督は選手交代とシステム変更によって試合の流れを変える。三笘薫や南野拓実ら攻撃的な選手が投入され、相手陣内でボールを奪う機会が増えていった。
そして後半30分、途中出場の堂安律が同点ゴールを決める。三笘の左サイドからの仕掛けを起点に、南野がゴール前へクロス。ドイツのGKマヌエル・ノイアーが弾いたボールに堂安が素早く反応し、ゴールネットを揺らした。
さらに後半38分、浅野拓磨が決定的な仕事をする。板倉滉から送られたロングボールを巧みにコントロールし、相手DFとの競り合いを制して右足でシュート。ボールはニアサイドの高い位置に突き刺さった。
2対1で日本が逆転勝利。途中出場の堂安と浅野がともに得点を記録するという、森保監督の選手交代が大きな結果につながった試合だった。
第2戦:コスタリカ戦は0対1で痛恨の敗戦試合日:2022年11月27日
結果:日本 0対1 コスタリカ
ドイツ戦の勝利によって勢いに乗った日本は、グループ突破を大きく引き寄せるためにコスタリカ戦へ臨んだ。しかし、結果は予想外の敗戦だった。
コスタリカは日本にボールを持たせながら、自陣にコンパクトな守備ブロックを形成。日本の攻撃にスペースを与えず、中央へのパスやゴール前への侵入を制限した。
後半には浅野拓磨、伊藤洋輝、三笘薫、伊東純也らが投入されたものの、最後まで得点を奪えなかった。
試合が動いたのは後半36分。コスタリカのジェウィソン・ベネットらが関わった攻撃からボールが日本の守備陣の背後へ送られ、最後はキーシャー・フラーがシュート。権田修一が反応したものの、ボールはゴールに吸い込まれた。
日本は終盤に反撃を試みたが、同点ゴールには届かず0対1で敗れた。
この試合で露呈したのは、相手が自陣に引いて守る場合の攻撃構築だった。ドイツ戦のように相手が前へ出てくる場合は、奪ってからの速攻が有効に機能する。しかし、コスタリカのように守備を固めるチームに対しては、スペースを自ら作り出す攻撃の質が求められる。
第3戦:スペイン戦は堂安律と田中碧のゴールで2対1試合日:2022年12月1日
結果:日本 2対1 スペイン
グループステージ最終戦は、2010年大会王者のスペインとの対戦だった。日本はこの試合に勝てば、文句なしで決勝トーナメント進出を決められる状況だった。
前半11分、スペインのアルバロ・モラタにヘディングシュートを決められ、日本は先制を許す。スペインが得意とする細かなパス交換とボール保持に対し、日本は守備に回る時間が長くなった。
しかし、後半開始から森保監督が堂安律と三笘薫を投入。攻撃の圧力を高めると、わずか3分後に同点ゴールが生まれた。
後半3分、スペインの最終ラインに対して日本が前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪い返す。伊東純也らが関わった攻撃から堂安にボールが渡ると、堂安はペナルティーエリア手前から左足で強烈なシュートを放った。
スペインのGKウナイ・シモンが触れたものの、ボールはゴールへ。堂安の豪快な一撃で日本が1対1に追いついた。
さらに後半6分、歴史的な逆転ゴールが生まれる。左サイドを突破した三笘薫がゴールライン際から折り返し、中央に走り込んだ田中碧が押し込んだ。
一度はボールがゴールラインを割った可能性があるとしてプレーが止められたが、VARによる確認の結果、ゴールが認められた。
その後、日本はスペインの猛攻をしのぎ切り、2対1で勝利。ドイツに続いてスペインも破るという歴史的な結果を残した。
決勝トーナメント1回戦:クロアチアとは1対1、PK戦で敗退試合日:2022年12月5日
結果:日本 1対1 クロアチア(PK戦1対3)
グループEを首位で突破した日本は、前回2018年大会準優勝のクロアチアと対戦した。目標は、日本サッカー史上初となるワールドカップのベスト8進出だった。
前半43分、前田大然が先制ゴールを記録する。吉田麻也が関わったセットプレーからの流れでボールがゴール前へ渡り、前田が左足で押し込んだ。
しかし、後半10分にクロアチアのイバン・ペリシッチがヘディングシュートを決めて同点。日本は再びリードを奪うことができず、延長戦に突入した。
延長戦では三笘薫が自陣から長い距離をドリブルで持ち上がり、強烈なシュートを放つ場面もあった。しかし、クロアチアのGKドミニク・リヴァコヴィッチに阻まれた。
120分間で決着がつかず、試合はPK戦へ。日本は南野拓実、三笘薫、吉田麻也のシュートを相手GKに止められ、浅野拓磨の1本だけが成功した。クロアチアは3本を決め、最終的にPK戦を3対1で制した。
日本はまたしてもベスト16で敗退。ベスト8という新しい目標には届かなかった。
日本代表の全試合結果・得点者一覧| 試合 | 日付 | スコア | 日本の得点者 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| ドイツ戦 | 11月23日 | 2対1 | 堂安律、浅野拓磨 | 勝利 |
| コスタリカ戦 | 11月27日 | 0対1 | なし | 敗戦 |
| スペイン戦 | 12月1日 | 2対1 | 堂安律、田中碧 | 勝利 |
| クロアチア戦 | 12月5日 | 1対1(PK1対3) | 前田大然 | PK戦敗退 |
この4試合で日本は合計5得点を記録した。堂安律がドイツ戦とスペイン戦で1点ずつ決め、チーム最多の2得点を挙げている。
【グループE最終順位】日本が勝ち点6でスペインとドイツを上回った理由
日本代表がグループEを首位で突破できた最大の理由は、優勝候補との直接対決で勝ち点3を積み上げたことにある。
ドイツとスペインはいずれも世界的な強豪だったが、日本は両国との試合で逆転勝利を収めた。一方、コスタリカ戦で勝ち点を獲得できなかったことは、グループ全体の順位争いを複雑にした。
最終順位は以下の通りだった。
- 1位:日本 勝ち点6、2勝1敗、得失点差プラス1
- 2位:スペイン 勝ち点4、1勝1分け1敗、得失点差プラス6
- 3位:ドイツ 勝ち点4、1勝1分け1敗、得失点差プラス1
- 4位:コスタリカ 勝ち点3、1勝2敗、得失点差マイナス8
注目したいのは、スペインとドイツがともに勝ち点4で並んだことだ。両チームは得失点差によって順位が分かれ、スペインが2位、ドイツが3位となった。
ドイツは日本に敗れた後、スペインと引き分け、最終戦ではコスタリカに4対2で勝利した。それでも日本を上回ることはできず、グループステージ敗退となった。
日本にとって勝ち点6は、単に2試合に勝ったという以上の意味を持つ。世界王者経験国との対戦で結果を残し、グループ全体の順位を自力で引き上げたからだ。
また、グループ首位通過によって決勝トーナメント初戦の対戦相手はクロアチアとなった。スペインやドイツが敗退したグループEを突破した日本の戦いは、カタール大会を代表する番狂わせの一つとして記憶されている。
【森保一監督の戦術】堂安律・三笘薫を生かした守備から攻撃への転換
2022年の日本代表を語るうえで欠かせないのが、森保一監督の戦術的な判断である。特にドイツ戦とスペイン戦では、試合中の選手交代とフォーメーション変更が勝敗を左右した。
基本戦術は守備ブロックと素早いカウンター森保監督は、相手にボールを持たせることを必ずしも避けなかった。自陣で守備陣形を整え、相手の攻撃を受け止めながら、ボールを奪った瞬間に前方の選手へ展開する戦い方を採用した。
この戦術には明確な合理性があった。ドイツやスペインのようにボール保持と攻撃の組み立てに優れたチームに対して、真正面からポゼッション勝負を挑めば、日本は守備面で消耗する可能性が高い。
そこで、日本は相手が攻撃に人数をかけた際のスペースを利用した。堂安、伊東、三笘らスピードのある選手が前方へ飛び出し、浅野らが相手DFの背後を狙うことで、少ない攻撃機会を得点につなげた。
ドイツ戦とスペイン戦で機能した選手交代ドイツ戦では前半の苦しい展開を受け、森保監督が後半に守備陣の構成を変更。冨安健洋を投入して3バックへ移行し、攻撃時にはウイングバックが高い位置を取れるようにした。
加えて、堂安と浅野の投入が決定的な効果を生んだ。フレッシュな選手が相手の守備陣に圧力をかけ、後半に2得点を奪う結果につながった。
スペイン戦では、試合開始から3バックを採用。前半はスペインのボール保持に対応し、後半から堂安と三笘を投入して攻撃の強度を高めた。
特にスペインのように後方からパスをつないで攻撃を組み立てるチームに対しては、前線からのプレスが有効に働いた。相手のパスコースを制限し、ボールを奪って短時間でシュートまで持ち込む流れが生まれた。
コスタリカ戦で露呈した戦術の限界一方、コスタリカ戦では同じ戦い方が機能しなかった。
コスタリカは日本にボールを保持させ、守備陣を自陣に集めてスペースを消した。日本は攻撃の起点を作ることに苦労し、相手の守備ブロックを崩すためのパス交換や個人技の突破が十分に機能しなかった。
つまり、日本の戦術は相手が前に出てくる場合には非常に強力だったが、相手が守備に徹した場合には別の攻撃手段が必要だった。
2022年大会の戦術的な成果と課題は、この対照的な2試合に最もよく表れている。
【1ミリ判定の真相】三笘薫と田中碧のゴールはなぜ認められたのか
スペイン戦の田中碧による決勝ゴールは、試合結果だけでなく、VARによる判定でも大きな話題になった。
問題となったのは、三笘薫が左サイドのゴールライン付近からボールを折り返した場面だった。映像の角度によっては、ボール全体がラインを越えて外に出ているようにも見えたため、一度はゴールが認められない可能性が生じた。
しかし、VARによる確認で判定が覆り、田中碧の得点は正式に認められた。
ボールは完全にラインを越えなければアウトにならないサッカーの競技規則では、ボール全体がタッチラインまたはゴールラインを完全に越えた場合に限り、アウト・オブ・プレーとなる。
重要なのは、ボールが地面に接している部分だけで判断するわけではないことだ。ボールの丸い形状を考慮し、上から見たときにわずかでもラインに重なっていれば、ボールはインプレーの状態にある。
三笘の折り返しも、ボールの一部がライン上に残っていたと判断されたため、プレーは有効となった。
「1ミリ」は公式に発表された確定測定値ではないこの判定は日本国内で「三笘の1ミリ」「1ミリ判定」と呼ばれるようになった。ただし、1ミリという数字がFIFAから公式に発表された厳密な測定値というわけではない。
話題の中心は、ボールが完全にラインを越えたかどうかという極めて微妙な判定だった。テレビ映像の撮影角度によって見え方が異なることも、議論が広がった理由の一つである。
また、今回の判定をボール内蔵センサーによる自動判定と混同してはいけない。VARが映像を確認して判定を下した事例であり、ボールがラインを越えたかどうかの判断には、映像による確認が重要な役割を果たした。
三笘のプレーと田中のゴールは、日本が世界王者スペインを破る決定的な場面となった。競技規則を正しく理解するうえでも、ワールドカップを象徴する判定の一つといえる。
【ベスト16敗退の理由】クロアチア戦で日本が越えられなかった壁
ドイツとスペインを破った日本が、なぜクロアチアに勝てなかったのか。この疑問を考えるには、PK戦だけでなく、試合全体の流れを確認する必要がある。
理由1:同点に追いつかれた後、追加点を奪えなかった日本は前田大然のゴールで先制したものの、後半にペリシッチのヘディングシュートで同点に追いつかれた。
クロアチアは2018年大会の準優勝国であり、延長戦やPK戦を含む接戦を経験してきたチームだった。試合が長引くほど、相手の経験と落ち着きが表れた。
日本も延長戦で三笘の突破などチャンスを作ったが、決勝点を奪えなかった。相手の守備を崩す最後の精度が足りなかったことは、敗退を考えるうえで見逃せない。
理由2:攻撃の強度を120分間維持できなかったドイツ戦とスペイン戦では、守備から攻撃へ切り替えるスピードが日本の武器になった。しかし、クロアチア戦では相手も日本の速攻を警戒し、試合の流れを簡単には渡さなかった。
堂安律も試合後、準備してきたプレーを出し切ることができなかった背景として、疲労の影響に言及している。短い間隔で強度の高い試合を続けた大会日程も、選手のコンディションを考えるうえで重要な要素だった。
加えて、相手の守備を崩すためにボールを保持しながら攻撃を組み立てる能力も必要だった。森保監督自身も、大会後に高い強度とスピードの中でプレーの質を高める必要性を指摘している。
理由3:PK戦で相手GKリヴァコヴィッチに阻まれたPK戦ではクロアチアのGKドミニク・リヴァコヴィッチが圧倒的な存在感を見せた。
日本の最初のキッカーだった南野拓実、2番手の三笘薫のシュートを連続でセーブ。3番手の浅野拓磨は成功させたものの、4番手の吉田麻也も止められた。
一方、クロアチアは3本のPKを成功させ、勝利を決めた。
ただし、日本の敗因を単純に「PKが苦手だった」と片付けるのは適切ではない。120分間の試合で決定的な追加点を奪えなかったこと、相手GKが優れたセーブを見せたこと、そして大舞台でのPK戦という精神的な負荷が重なった結果だった。
クロアチアは2018年大会でも決勝トーナメントのPK戦を勝ち上がった経験を持つ。こうした経験の差も、試合後に議論されたポイントの一つである。
日本代表にとって、クロアチア戦は敗北であると同時に、世界の強豪と互角に渡り合うために何が必要なのかを突きつけられた試合でもあった。
【歴代成績と比較】日本代表は2022年大会でどこまで成長したのか
2022年大会の価値を正確に理解するには、日本代表の過去のワールドカップ成績と比較することが欠かせない。
日本が初めてワールドカップに出場したのは1998年のフランス大会だった。初出場時は3試合すべてに敗れたが、2002年の日韓大会では初めて決勝トーナメントに進出した。
その後、2006年ドイツ大会ではグループステージ敗退。2010年南アフリカ大会では再びベスト16に進出したものの、パラグアイとのPK戦で敗れた。
2014年ブラジル大会ではグループステージで敗退。2018年ロシア大会ではベルギーに2対3で逆転負けを喫し、ベスト16で姿を消した。
そして2022年カタール大会でもベスト16。日本は4大会で決勝トーナメント進出を果たしたが、いずれもベスト8の壁を越えられていない。
歴代大会との比較で見える2022年の特徴2022年大会の特徴は、単にベスト16に進出したことではない。ドイツとスペインという過去の優勝国を同じ大会で破り、グループ首位通過を果たした点にある。
過去の大会でも日本は強豪国を苦しめてきたが、2022年は結果として2つの世界王者を倒した。しかも、どちらも先制を許した状況からの逆転勝利だった。
JFAの大会史が示すように、2002年の日韓大会以降、日本代表は欧州でプレーする選手を増やし、世界との距離を少しずつ縮めてきた。2022年は、その積み重ねが結果として表れた大会だった。
2026年時点で振り返っても、日本代表のワールドカップにおける最高到達点はベスト16である。2002年、2010年、2018年、2022年と4度進出しているが、ベスト8進出という目標は依然として大きなテーマとして残っている。
2022年大会が日本サッカーに残した最も重要な成果は、強豪国に対しても戦術と選手の能力を組み合わせれば勝利できるという実績だった。一方で、相手に守備を固められた場合の攻撃構築や、試合を決定づける最後の精度は今後も磨く必要がある。
【よくある質問】ワールドカップ2022の日本代表に関するFAQ
Q1:ワールドカップ2022で日本代表は何位だった?
A1:日本はグループEを勝ち点6で1位通過し、決勝トーナメント1回戦でクロアチアにPK戦の末に敗れた。最終到達ラウンドはベスト16だった。
Q2:日本代表はドイツとスペインに何対何で勝った?
A2:ドイツには2対1、スペインにも2対1で勝利した。ドイツ戦では堂安律と浅野拓磨、スペイン戦では堂安律と田中碧が得点を記録した。
Q3:コスタリカ戦で日本が負けた理由は?
A3:コスタリカが自陣に守備ブロックを形成し、日本の攻撃スペースを消したことが大きかった。日本は攻撃を組み立てるのに苦労し、後半36分にキーシャー・フラーのゴールを許して0対1で敗れた。
Q4:クロアチア戦のPK戦は何対何だった?
A4:日本はPK戦で1対3で敗れた。日本は浅野拓磨が成功させた一方、南野拓実、三笘薫、吉田麻也のシュートはGKリヴァコヴィッチに止められた。
Q5:三笘薫の1ミリ判定とは何?
A5:スペイン戦で三笘薫がゴールライン際から折り返したボールについて、VARが確認した結果、ボール全体がラインを越えていないと判断された場面のこと。ボールの一部でもラインに重なっていればインプレーとなる。1ミリという数字は公式な確定測定値ではなく、微妙な判定を象徴する呼び方として広まった。
Q6:2022年大会の日本代表の監督は誰?
A6:森保一監督。守備ブロックを形成して相手の攻撃を受け止め、ボールを奪って素早く攻める戦術を採用した。ドイツ戦とスペイン戦では選手交代やフォーメーション変更も勝利に貢献した。
Q7:日本代表はワールドカップで何回ベスト16に進出している?
A7:2022年大会までに4回。2002年の日韓大会、2010年の南アフリカ大会、2018年のロシア大会、2022年のカタール大会で決勝トーナメントに進出した。
ワールドカップ2022の日本代表は、ドイツとスペインを破り、グループEを勝ち点6で首位通過した。堂安律の2得点、浅野拓磨のドイツ戦での決勝ゴール、田中碧のスペイン戦での逆転弾など、個々の選手が世界の舞台で強烈な印象を残した。
その一方で、コスタリカ戦では守備を固める相手への攻撃構築に苦しみ、クロアチア戦では延長戦を経てPK戦で敗退した。強豪国に勝つ能力を証明した一方、どのような相手にも安定して勝つための攻撃の完成度や試合運びには課題が残った。
2026年時点で振り返ると、カタール大会は日本代表にとって大きな転換点だった。世界王者を倒すという成果を残しながら、ベスト8という目標には届かなかったからだ。
【プロの結論】2022年大会の本質は、番狂わせの連続ではなく、日本代表が世界の強豪と戦うための現実的な勝ち筋を示したことにある。守備の組織力、素早いトランジション、選手交代による試合の流れの変化は、日本の大きな武器となった。
しかし、本当に世界のトップに近づくには、相手が守備を固めた場合にも自分たちで試合を動かす能力が欠かせない。ドイツとスペインを破った実績を一時的な成功で終わらせず、攻撃の質、決定力、試合終盤の判断力へとつなげられるか。それこそが、2022年大会から日本サッカーが受け継ぐべき最大の課題である。
ベスト16の壁を越えられなかった悔しさと、世界王者を破った自信。その両方を残したカタール大会は、日本代表の歴史を語るうえで欠かせない一大会となった。
主な事実確認資料: 日本サッカー協会(JFA)の公式試合記録・大会レポート、FIFAの大会戦術分析、ドイツサッカー連盟(DFB)のグループE最終順位表。